ベトナム越境EC完全ガイド 成功のステップと進出理由
公開日:2026.01.06
最終更新日:2026.01.08
ベトナム越境ECを目指す日本企業向けに、市場データ・運用ノウハウ・外部ツールを網羅。成功までのステップを丁寧に解説
2024年、ベトナムの小売EC市場規模は250億ドルを超え、前年比で約20%の成長を記録しました。
出典:ベトナム社会主義共和国 政府「Viet Nam’s e-commerce hits US$25 billion in 2024」
また、東南アジア最大級のECプラットフォームであるShopeeにおいては、国内出品者35万人超、商品点数1,500万点以上という実績が報じられており、越境ECを支える流通基盤として機能しています。
こうした成長の背景には、若年人口の多さ、スマートフォンの普及、国内外製品への信頼性などが挙げられます。本記事では、ベトナム越境ECに挑戦したい日本のEC事業者向けに、戦略・運用・実践ステップまでを網羅的に解説します。
なぜ今、ベトナムが注目されているのか?
東南アジアの中でも、ベトナムはここ数年で特に注目される存在になっています。
背景には、人口の約7割を占める若年層の購買力、スマートフォンの普及によるオンライン購買の浸透、そして政府によるデジタル経済推進政策があります。さらに、ライブコマースやSNS経由の購買といった新しい消費スタイルが定着し、消費市場全体がオンラインへと急速にシフトしています。
日本製品に対する信頼性の高さも追い風となり、ベトナム市場は「越境ECを始めるなら今」という熱気にあふれています。
市場規模と成長率
ベトナムの小売EC市場は2024年に25億ドルを超え、前年比で約20%の成長を記録しました。また、調査会社の予測では、2025年にはeコマース市場規模は約27.7億ドルに達し、2030年には62.5億ドルに成長する見通しというデータもあります(年平均成長率:21.65%)
若年層・スマホ普及率・ライブコマースの隆盛
ベトナムではスマートフォン利用が非常に一般化しており、EC購買の多くがモバイル端末で行われています。また、ライブコマース(視聴+購買の形態)が拡大しており、映像+コンテンツ型の販売手法が急速に浸透しています。
日本製品への信頼性・品質評価の高さ
ベトナムでは、日本製の商品やブランド力に対する信頼が比較的高く、「安心感」「品質の信頼性」が購買動機になるケースが多いとされています。
これらの要因が重なり、ベトナムは現在、「越境EC進出先」としての魅力度を一層高めています。
ベトナム越境ECでEC事業者に求められること
市場が急成長しているからといって、単に商品を並べるだけでは成果は出ません。成功するためには「現地にフィットする仕組みづくり」が不可欠です。
言語や決済の壁、物流や関税の問題、さらにはSNSマーケティングの最適化まで、考えるべき要素は多岐にわたります。ここでは、参入前に必ず押さえておきたい4つの重要ポイントを整理します。
多言語対応(ベトナム語)と現地に合わせた UI/UX
現地消費者は母語での表示を好む傾向があります。商品名・説明文・レビュー・ヘルプページなどを正しくベトナム語化し、文化や表現にも配慮した UI/UX を設計することが重要です。
多通貨・決済方法の対応
ベトナム国内通貨(ベトナムドン/VND)の他、米ドルやその他通貨対応があると利便性が高まります。さらに、現地で普及している決済方法(QR決済、モバイルウォレットなど)に対応できるかを確認しておきましょう。
国際配送・関税・VAT対応
越境ECでは配送コスト・通関手続き・消費税(VAT)などの負担が顧客体験を大きく左右します。信頼できる物流業者と契約し、関税計算や物流追跡、クレーム対応を含めた仕組みを整えましょう。
SNSマーケティングと現地プラットフォーム連携
ベトナムでは Facebook、TikTok、Zalo などが主要媒体です。これらを使った広告・運用と、Shopee・Lazada といった現地モールとの連携が効果を高めます。
人気の商品カテゴリ
越境ECを成功させるには、現地で「何が売れているか」を見極めることが欠かせません。
ベトナムではファッションやコスメといった日常消費に直結する商品が強い一方で、日本らしい高品質な生活雑貨や伝統工芸品も注目されています。富裕層をターゲットとするなら家電や酒類などの高単価商品も可能性があります。こうした需要の多様性を理解し、自社に合ったカテゴリを選ぶことが第一歩になります。
衣料・ファッション小物
ベトナムは若年層の割合が高く、SNSでのトレンド消費が活発です。特にファッションは自己表現の手段として重視され、オンラインでの購買率も年々上昇しています。
加えて、ライブコマースの普及により、インフルエンサーが紹介する服や小物が瞬時に売れる仕組みが整っており、ECとの相性が抜群です。
化粧品・美容関連
所得水準の上昇とともに、美容やセルフケアに投資する層が増加しています。韓国や日本のコスメが「品質が高く安心」という理由で特に人気を集めており、口コミやレビューが購買を後押ししています。ECでの購入は「気軽に試せる」「比較しやすい」ことから成長分野のひとつです。
家電・モバイル機器
スマートフォン普及率が80%を超えるベトナムでは、モバイル関連商品や家電の需要が非常に高いです。特に中間層や富裕層の増加に伴い、家電やデジタル機器の買い替えニーズが広がっています。オンライン販売は価格比較のしやすさから利用率が高まり、市場成長を支える主要カテゴリです。
生活雑貨・インテリア用品
都市部を中心にライフスタイルの多様化が進み、便利でデザイン性の高い生活用品への需要が拡大しています。特に「日常で使うものを手軽にオンラインで購入する」という行動が根付いており、食器や収納グッズなどの生活雑貨は安定した売れ筋となっています。
伝統工芸品・手工芸(ハンドクラフト)
海外向け輸出を含め、ベトナムの工芸品は注目度が高まっています。自然素材を使った竹やラタン製品は「エコ」「サステナブル」といった観点から欧米市場でも人気があり、越境ECの文脈で輸出収益を押し上げる存在になっています。
ベビー用品・健康食品
出生率が比較的高いベトナムでは、育児用品やベビー服の需要が根強いです。また、都市部を中心に健康意識が高まり、サプリメントやナチュラルフードを求める消費者が増加しています。安心・安全性が重視される分野であり、日本ブランドの信頼性が強く評価されています。
日本EC事業者におすすめする理由
数ある国の中でも、なぜ日本企業にとってベトナムが有望なのか。その理由は「制度面の追い風」「市場の成長余地」「日本製品ブランドの信頼」の3点に集約されます。
FTAによる関税優遇措置や製造拠点の多さはコスト競争力を後押しし、ECインフラの整備は参入障壁を低くしています。さらに、日本製品が持つ「品質=信頼」というイメージはベトナム消費者に強く浸透しており、競争優位を築きやすい環境が整っています。
FTAなどによる関税優遇と製造拠点がある
日本とベトナムは自由貿易協定や経済協力関係が深く、関税優遇措置を活用できる場面があります。また、生産拠点をベトナムに置く日系企業も多く、サプライチェーンを活かす動きがあります。
越境ECの拡大基盤が整っている
Shopeeというプラットフォームデータも、越境取引の実績基盤の一例です。
Shopeeは、ベトナム国内で最も利用者が多いモール型のECプラットフォームのひとつです。35万人以上の出品者が参加し、1,500万点以上の商品を取り扱っています。こうした巨大モールの存在が、越境取引を支える基盤となっています。
市場のIT化と支援インフラが充実している
電子決済の普及、物流網の拡張、政府のデジタル経済推進政策などにより、ベトナム市場はオンライン取引を支える土台が急速に整っています。MoMoやZaloPayといったモバイルウォレットの普及は消費者に安心感を与え、DHL・FedExなど国際物流との連携は越境配送のハードルを下げています。
こうしたインフラの整備が、日本企業の参入を現実的な選択肢にしています。
加えて、競合がまだ完全には飽和していない市場で、日本製ブランドの信頼を活かす余地があります。ASEAN展開のハブ拠点としても注目度が高いです。
運用中のネットショップに適用する方法
すでにネットショップを運営している場合、ゼロから新規サイトを立ち上げなくても、越境対応は可能です。
多言語化や多通貨決済、物流の外部連携を段階的に追加すれば、既存の仕組みを活かしながらベトナム向けに展開できます。特に、翻訳の精度や決済の安心感は顧客体験に直結するため、どの部分を外部ツールで補うかを計画的に進めることが成功の鍵となります。
多言語化機能(外部API/ツールで対応)
ベトナム語対応は必須です。商品説明やFAQなどを外部翻訳APIやツールで多言語化し、現地の消費者が安心して理解できる環境を整えましょう。自動翻訳だけでなく、ニュアンスを補う修正を行うことで信頼感が高まります。
決済・通貨拡張(Stripe/PayPal などの越境対応)
現地通貨(VND)や米ドル建てに対応できる決済手段を導入することで、購入のハードルを下げられます。StripeやPayPalは国際的に認知度が高く、導入も比較的容易です。クレジットカード以外の決済手段を備えることで、より幅広い層にアプローチできます。
国際配送オプション追加
配送は顧客満足度を左右する重要なポイントです。DHLやFedExといった国際物流を利用すれば、追跡可能で安心感を提供できます。配送コストや期間を明示しておくことで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
ローカライズしたマーケティング施策
ベトナムではFacebookやTikTokといったSNSを通じた購買が主流です。現地に合わせた広告文やビジュアルを用意し、SNS広告やライブコマースを積極的に活用しましょう。モール型プラットフォーム(Shopee、Lazada)との併用も効果的です。
現地顧客対応(問い合わせ対応・返品ポリシーなど)
購入後の顧客対応は、リピートや信頼性に直結します。現地言語での問い合わせ対応や、返品・交換ポリシーを明確に提示することで安心感を提供できます。特に返品条件や送料の扱いは誤解が生じやすいため、事前にルールを整えて公開することが重要です。
独自カートを使っている場合、追加できるプラグインや外部サービスを活用する形での対応が現実的です。
ベトナム越境EC対応に必要な外部ツール一覧
越境ECは「準備の質」が成果を大きく左右します。とりわけ多言語化、決済、物流、マーケティングといった基盤は欠かせません。国内向けショップをそのまま海外に展開するのではなく、外部ツールを組み合わせて現地仕様に最適化することで、ベトナム市場での信頼性と利便性を高められます。
ここでは、ショップサーブをベースに導入できる具体的なツールを整理します。
多言語化ツール(翻訳・ローカライズ)
ベトナム語対応は避けて通れません。
WOVN.ioは既存サイトに多言語機能を後付けできるサービスで、翻訳の精度や管理のしやすさに強みがあります。Google翻訳ウィジェットも簡易的な選択肢として活用可能ですが、商品説明やブランドメッセージなどは必ず人の目でチェックし、自然な表現に調整しましょう。
通貨・決済ツール(安全な取引環境を整備)
Stripe や PayPal は国際的に認知度が高く、ベトナム顧客との取引でも安心して使える手段です。さらに、MoMo や ZaloPay などベトナム現地で普及しているモバイルウォレットとの連携も検討すると、現地の購買習慣に合った決済環境を提供できます。
物流サービス(国際配送をスムーズに)
配送面では、信頼性の高い DHL や FedEx が国際便での定番です。さらに、購入代行や転送サービスを提供する tenso.com や Buyee を組み合わせれば、日本国内の商品を簡単に海外に届けられる仕組みを構築できます。配送コストや所要日数を明確にすることが顧客満足度向上につながります。
マーケティング支援(現地での認知拡大)
ベトナムでは Facebook 広告 や TikTok 広告 が購買行動に直結します。加えて、現地SNSやモール広告も有効なチャネルです。自社サイト単体での集客には限界があるため、モール型プラットフォーム(Shopee、Lazada)やSNSを組み合わせることで、より多くの顧客層にリーチできます。
利用するツールは、将来にわたってサポート実績があるものを選びましょう。
ベトナム越境ECの始め方
「市場が伸びているのはわかったけれど、実際にどう始めればいいのか?」という声は多いはずです。
重要なのは、一気にすべてを整えようとせず、段階的にステップを踏むことです。商品選定から翻訳、決済・配送の設定、そしてマーケティング展開まで、ひとつひとつ確実に進めることでリスクを抑えながら成果につなげられます。
1. 商品・カテゴリ選定
最初のステップは「何を売るか」を明確にすることです。ベトナム市場で需要のあるカテゴリ(ファッション、化粧品、生活雑貨など)に加えて、自社の強みを活かせる商品を選びます。競合が多すぎるジャンルは差別化が難しいため、ニッチな切り口や品質の高さで勝負できる分野を見極めることが大切です。
2. 翻訳・ローカライズ(商品説明・画像・UI)
選んだ商品をそのまま出品するのではなく、現地に合わせた表現やデザインにローカライズする必要があります。商品説明や利用シーンをベトナム語に翻訳するのはもちろん、文化的に親しみやすい写真や色使いを選ぶと効果的です。UI(画面設計)も現地ユーザーの使いやすさを考慮しましょう。
3. 決済・配送設定
国際ECのボトルネックになりやすいのが「決済と配送」です。VNDや米ドルなど多通貨に対応できる決済手段を整備するとともに、DHLやFedExなど信頼性のある国際物流サービスを利用することが基本です。配送期間や送料を明確に提示しておくことで、顧客からの信頼につながります。
4. マーケティング施策(SNS・広告・モール出品)
ベトナム市場ではSNSが購買行動に直結します。FacebookやTikTokを活用した広告やライブコマースの実施は特に効果的です。さらに、ShopeeやLazadaといった現地モールへの出品も、認知度を広げる施策として有効です。自社サイトとモール出品を組み合わせることで、より多くの顧客接点を確保できます。
5. モニタリングと改善
販売開始後の重要な要素は、売上やアクセス数、決済完了率、配送のスムーズさなどをモニタリングし、課題を分析することです。その上で、商品ラインナップの追加や広告戦略の見直しを行い、段階的に改善していくことが成功の近道です。
また、ベトナム進出に詳しいパートナーや EC カート事業者との協業も成功確度を高めます。
ベトナム越境ECはブランド拡大の大きな一歩
ベトナムのEC市場は成長が著しく、今後も拡大が見込まれる注目の分野です。若年層の多さ、スマートフォンの普及、SNSを中心とした新しい購買行動の広がり、そして日本製品への高い信頼性──こうした環境が整っている今こそ、越境ECに挑戦する好機といえるでしょう。
成功のためには、現地言語へのローカライズ、多通貨決済や物流インフラの整備、SNSやモールを活用したマーケティングといった取り組みが欠かせません。さらに、商品カテゴリの選定から、翻訳やUI調整、配送・決済設定、プロモーション、そして継続的な改善までを段階的に進めることで、無理なく参入できます。
つまり、ベトナム越境ECは単なる新規市場への挑戦ではなく、ブランドの可能性を広げるための戦略的なステップです。
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