ネットショップの基本構成やモール型と自社ECの違いを初心者向けに解説
インターネットを使って商品やサービスを購入することが当たり前になっている現代、「ネットショップ」という言葉を耳にする機会も増えました。しかし、ネットショップとは具体的に何を指し、どのように機能しているのか、詳しくは分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、ネットショップの基本的な仕組みや種類について解説します。
ネットショップとは
ネットショップとは「E-Commerce（電子商取引）サイト」の略で、インターネット上に開設されたお店のことです。お客様はオンラインで商品を探して選び、代金を支払い、自宅などで商品を受け取るまで、すべての手続きをインターネット上で完結できます。ネットショップは、誰が誰に商品を売るかによって、主に以下の3つのビジネスモデルに分けられます。
- B2C（Business to Consumer：企業対消費者）
会社が一般のお客様向けに商品やサービスを売る方法です。ほとんどのネットショップがこの形に該当します。（例：アパレルEC、家電のオンラインストア） - B2B（Business to Business：企業対企業）
会社同士で取引を行う形です。卸売業や業務用の商品、サービスなどに使用されます。取引の金額が大きいのが特徴です。（例：メーカーから小売店への卸売サイト） - C2C（Consumer to Consumer：消費者対消費者）
個人同士が売買を行う形です。主にフリマアプリやオークションサイトがこれに該当します。（例：メルカリ、ヤフオク！）
ネットショップの基本構成
ネットショップを運営するためには、お客様が快適に買い物できる機能（表側）と、お店の運営者が効率的に管理するための機能（裏側）の両方が欠かせません。ここでは、ネットショップを支える4つの基本システムについて説明します。
お店ページ
これは、お客様がサイトを訪れた時に直接見る、ネットショップの顔となる部分です。魅力的なトップページや商品ページを作り込むことが、成功への重要な点となります。お店ページは、主に以下の要素で構成されます。
なお、ネットショップには「特定商取引法に基づく表示」と「プライバシーポリシー」の2つのページが必須です。
特に「特定商取引法に基づく表示」は消費者トラブルを防ぐための法律で、サイト運営者（販売者）の氏名、住所、電話番号などの表示が義務付けられています。
- トップページ
ネットショップ全体の玄関口となるページです。ブランドのコンセプトやキャンペーン情報、おすすめ商品などを紹介し、お客様を店内に誘導する役割があります。 - 商品一覧ページ
商品をカテゴリや価格帯などで分類し、一覧で見せるページです。検索機能や絞り込み機能と連携し、お客様が目的の商品にたどり着きやすいように工夫されています。 - 商品ページ
商品の写真、詳しい説明、値段、在庫状況などが載っている、最も重要なページです。ここで提供する情報が、購入の最終的な判断を左右します。 - 特定商取引法に基づく表示
通信販売を行う事業者が法律に基づいて開示を義務付けられている情報です。販売価格、送料、返品条件、事業者名、住所、電話番号などを記載し、お客様に安心感を与えます。開設する際に確認が必須です。 - プライバシーポリシー
お客様の氏名や住所、購入履歴などの個人情報を、どのように収集し、利用し、保護するかを明記した規約です。お客様からの信頼を得るために不可欠な要素です。 - その他（サポート情報など）
よくある質問（FAQ）ページで一般的な疑問を事前に解決したり、お問い合わせフォームを設置することで個別対応を可能にしたりします。
カートシステム
お客様が購入したい商品を選び、最終的に注文を確定させるまでの手続きを管理する機能です。この一連の流れがスムーズであるほど、お客様の離脱というリスクを防ぐことができます。
- カート画面
実店舗の買い物カゴのように機能し、購入を希望する商品を一時的に入れます。この段階で数量の変更や削除などを行います。 - 購入者情報の入力画面
注文者の氏名や連絡先（メールアドレス、電話番号など）といった基本情報を入力するステップです。 - お届け先情報の入力画面
商品を届けるための住所、配送希望日時などを指定するステップです。購入者情報とお届け先が異なる場合の入力もここで行われます。 - 注文確認画面
入力した購入者情報、お届け先、最終的な合計金額、決済方法など、すべての注文内容を最終的にチェックし、間違いがないかを確認するステップです。 - 注文完了画面
お客様が確認を終え、注文を確定させた後に表示されるページです。この時点で注文情報がお店の管理システムに記録されます。
決済システム
お客様が安全に代金を支払い、購入を確定するための仕組みです。決済システムは、ネットショップの信頼性に直結する重要な要素です。
- 決済方法
クレジットカード決済だけでなく、コンビニ決済、銀行振込、代金引換、各種デジタル決済（PayPay、楽天ペイなど）など、お客様の利便性を高めるために多様な方法を提供することが重要です。 - セキュリティ
お客様の大切な支払い情報を守るため、高度な暗号化技術が使用されます。特にカード決済においては、不正利用を防ぐための本人認証サービスである3Dセキュア（EMV 3-Dセキュア）などの仕組みが導入されています。
▼3Dセキュアに関する記事はこちら
クレジットカード不正利用が過去最大に！3Dセキュア2.0の導入義務化？
商品・受注・顧客管理システム
お客様からは見えない、ネットショップの運営をスムーズにするための裏側のシステム（バックエンド）をまとめた機能です。この作業を徹底することで、失敗のリスクを最小限に抑えられます。
- 商品管理
仕入れた商品の在庫や価格、説明をシステム上でまとめて管理します。 - 受注管理
お客様の注文情報を正確に記録し、発送までの準備や手続きをサポートする機能です。注文内容に基づいて、倉庫への出荷指示や配送伝票の作成、お客様が荷物の追跡をできるようにするまで、商品をお客様の手元に届けるまでの一連の流れを管理します。また、注文と在庫を自動で連携させ、ミスを防ぎます。 - 顧客管理
誰が、いつ、何を買ったかという履歴や情報を一元管理し、問い合わせ対応やリピーターを増やすための対策に活用します。
ネットショップの種類
ネットショップの運営には、モール型と自社ECの2種類があります。
モール型の特徴
モール型ECは、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングのように、複数の店舗が集まり、1つのプラットフォーム上で商品を販売するオンラインショッピングモールです。大手ECプラットフォームが提供するマーケットプレイスに出店する形となり、サイトの基本機能や集客力を活用できます。
モール型ECのメリット
- 高い集客力
モール型は、すでに大規模な顧客ベースを持っています。例えば、Amazonや楽天市場には日々多くのユーザーが訪れ、検索エンジンやSNS広告、リターゲティング広告などのマーケティングが強力にサポートされています。自分で集客に力を入れる必要が少なく、出店するだけで多くの潜在顧客にリーチすることができます。 - 簡単な導入・運用
サイトの構築やデザイン、決済システムなどの技術的な設定はモール側が提供しているため、初期投資や技術的なスキルがなくてもすぐに販売を開始できます。また、モールのシステムを使うことで、カート機能、決済機能、配送管理など、基本的な機能が整っており、運営が比較的簡単です。 - 信頼性
大手モールに出店することで、そのモール自体のブランド力や信頼性を活用できます。顧客はAmazonや楽天市場などのプラットフォームを既に利用していて、信頼を置いている状態であるため、新しいショップでも安心して購入してもらえる可能性が高まります。
モール型ECのデメリット
- 手数料が高い
モール型ECでは、プラットフォーム利用料や売上の一部を手数料として支払う必要があります。例えば、出店料や販売手数料、決済手数料、さらには広告を使う場合はその費用も発生します。 - ブランドの差別化が難しい
モール型ECでは、他の店舗と同じプラットフォーム上に多数の競合が存在します。これにより、価格競争が激化し、同じ商品を取り扱っている場合、顧客は価格やレビューを基準にして購入を決定するため、独自のブランド価値を打ち出すことが難しくなります。 - 顧客データの所有権が制限される
モール型ECでは、顧客との取引がモールのシステム内で行われるため、顧客データを全て活用することが難しい場合があります。メールアドレスなど一部の情報は取得できるものの、顧客の購買履歴や行動データを詳細に分析して、自社のマーケティング戦略に反映させづらい可能性があります。
自社ECの特徴
自社ECは、企業やブランドが独自に運営するオンラインショップです。自社でサーバーやシステムを用意して運営するケースと、弊社ＥストアーショップサーブやShopify、BASEなどのECプラットフォームを利用して自社サイトを構築するケースの2種類があります。どちらの場合でもモール型とは異なり、全ての運営面において自由度が高く、自分のブランドに最適化されたサイトを作ることが可能です。
自社ECのメリット
- ブランディングが自由
自社ECでは、デザインやコンテンツを完全に自由にカスタマイズできるため、ブランドイメージを統一した独自のオンラインショップを作成できます。ロゴ、配色、レイアウトなど、全ての要素が自分のブランド戦略に合ったものにすることができ、顧客に強い印象を与えることが可能です。 - 利益率が高い
モール型ECとは異なり、手数料が発生しないため、売上に対する利益率が高くなります。自社ECでは、サーバー代や決済手数料などの運営コストはかかりますが、それでもモールの利用手数料より低く抑えられることが多いため、利益を最大化することができます。 - 顧客データの活用
自社ECでは、顧客の行動データや購買履歴を詳細に追跡・分析することができます。このデータをもとに、パーソナライズされたマーケティング戦略やリピーター獲得施策を打ち出すことができ、顧客との関係を深め、ロイヤリティを高めることにも繋がります。 - 販売戦略の自由度
セールのタイミングや商品ラインナップ、価格設定、配送方法など、全ての要素を自由にコントロールできます。特に、季節限定商品やキャンペーンを展開したい場合、柔軟に対応することが可能です。また、販売チャネルをSNSや他のオンラインメディアと統合することで、集客力を高められます。
自社ECのデメリット
- 集客が難しい
自社ECでは、モール型のように既に確立された集客力がないため、自社でSEOやSNS、広告を使って顧客を集める必要があります。これには時間やリソース、そしてマーケティングの知識が必要となるため、運営の初期段階では集客が最大の課題となります。 - 初期費用と技術的負担
自社ECを立ち上げるには、Webサイトの構築、デザイン、決済システムの導入など、多くの準備が必要です。特に自前でシステムを構築する場合は、専門的な技術スキルが求められるため、外部の専門家に依頼するコストがかかることもあります。また、運営後もシステムのメンテナンスやセキュリティ対策が必要です。 - 信頼性の構築が必要
新規で自社ECを始める場合は、ブランドやサイト自体の信頼性がまだ確立されていないため、顧客が購入に踏み切るまでに時間がかかることがあります。レビューや口コミが少ないことが顧客にとって不安要素となることがあるため、信頼を築くための施策が必要です。
モール型ECと自社ECの比較
| 項目 | モール型 | 自社EC |
| 集客力 | 高い（モール自体に既存の顧客が多い） | 低い（自社で集客活動を行う必要がある） |
| コスト | 出店料や手数料がかかる | 初期費用はかかるが手数料は少ない |
| ブランディング | 制限される（プラットフォームに依存） | 自由にデザインや構成が可能 |
| 顧客データの活用 | 制限あり（プラットフォームが所有） | 詳細なデータを活用できる |
| 運営の手軽さ | 簡単（システムや機能が提供されている） | 難しい（システム構築や運営が必要） |
始める前にまずはECカートシステムを比較検討
このように、モール型ECと自社ECにはそれぞれメリット・デメリットがあります。取り扱う商品やサービス、自社のビジネス方針によって最適な選択軸は異なるため、様々なECカートシステムを比較検討することをオススメします。この際、テンプレートの豊富さや月額費用、提供される機能を徹底して確認し、自社に合った選び方をすることが成功への近道です。
ご参考までに、弊社Ｅストアーショップサーブの機能や料金について紹介させていただきます。
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Ｅストアーショップサーブは、日々変化していくEC市場に適応するべく、ネットショップ構築に必要なカートシステムの提供と新機能開発に努めています。全顧客担当制が特徴の1つとなっており、貴社のEC担当の一員として二人三脚で取り組んで参ります。ECカート×担当サポートによるコンサルティングで、EC事業からの売り上げ拡大を狙います。
人手不足が加速している今、ネットショップの運営に注力できていない、知識がなくて不安、課題に対する施策が行えていない…などのご相談を企業様からいただいています。
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