経済産業省が導入を求める3Dセキュア2.0の重要性について
日本におけるクレジットカード不正利用の被害が、過去最大を記録しました。
一般社団法人日本クレジット協会が実施した「クレジットカード不正利用被害実態調査」によると、2023年の不正利用被害額は540億9000万円に達し、前年(436億7000万円)を104億2000万円上回っています。
特に注目すべきは、この不正利用被害額の大部分、具体的には504億7000万円がECサイトなどの非対面取引における「番号盗用被害」であった点です。
これは前年比22.6%増にあたり、EC業界におけるクレジットカード不正利用対策の強化が喫緊の課題であることを明確に示しています。
この状況を受け、経済産業省は不正利用対策の一環として、「クレジットカード・セキュリティガイドライン【4.0版】」を改訂し、原則として全てのEC加盟店に対し、2025年3月末までに3Dセキュア2.0の導入を求めています。(2023年3月15日発表)
参考:クレジットカード・セキュリティガイドライン【4.0版】が改訂されました
カード決済のセキュリティを強化する3Dセキュア
3Dセキュアは、インターネットショッピングにおけるクレジットカード決済のセキュリティを強化するために開発された本人認証サービスです。
従来の3Dセキュアは、クレジットカード情報の入力に加えて、ショッピングカート以外の画面に遷移し、毎回パスワードの入力が必要となる仕組みでした。
このため、利用者がパスワードを覚えていないなどの理由で、決済時の離脱率が高くなるという課題を抱えていました。
安全で使いやすく進化した3Dセキュア2.0
3Dセキュア2.0は、従来の3Dセキュアが抱えていた利便性の問題を解決し、より安全で使いやすく進化したシステムです。
この新しい認証方式では、毎回パスワードを入力させる必要はありません。
過去の購入履歴や利用状況、使用されているデバイス情報など、様々なデータをもとにクレジットカード会社が不正利用の可能性が高いと判断した取引に対してのみ、追加認証を行います。
このリスクベース認証の導入により、9割以上の取引が追加認証なしでスムーズに完了します。
利用者の利便性を大きく損なうことなく、決済時の離脱を抑制しつつ、安全な取引を提供できるようになっています。
追加認証が必要な際は、ワンタイムパスワードや生体認証など、より高度な認証方式に対応し、パスワードの盗難リスクを防止します。
これにより、第三者による不正利用の発生を大幅に抑えることが期待されます。
スマートフォンアプリからの利用も可能で、利便性が向上しています。


強力なチャージバック対策としての3Dセキュア2.0
3Dセキュア2.0の導入は、EC事業者にとって大きな負担となり得るチャージバックのリスク回避にも有効です。
チャージバックとは、不正利用などの理由によりクレジットカードを保有する消費者が支払いに同意しない場合、クレジットカード会社がその売上代金を取り消し、EC事業者に対して返金を求める仕組みです。
不正利用により売上代金が取り消しになった場合、販売元であるEC事業者はクレジットカード会社に売上代金を返金しなければならず、商品も通常は戻らないため、二重の損害が発生することになります。
3Dセキュア2.0を導入しているサイトで決済が行われ、購入者が利用しているクレジットカード会社が行うリスクベース認証を経て注文が登録された場合、EC事業者は免責となります。
認証済みの注文で不正利用によるチャージバックが発生した際、店舗はその売上代金の返金を不要とされ、クレジットカード会社が売上代金を全額負担します。
これにより、EC事業者は不正利用による金銭的損害から保護されます。
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ECサイト運営者は早急な対応を
クレジットカード不正利用の増加、そして経済産業省による3Dセキュア2.0導入の要請を受け、ECサイト運営者にとって3Dセキュア2.0への対応は喫緊の課題です。
Eストアーショップサーブの「クレジットカード本人認証サービス(3Dセキュア)」オプションをお申し込みいただければ、初期費用、月額利用料無料で3Dセキュア2.0がすぐにご利用いただけます。(※トランザクション処理手数料として、一部の処理ごとに手数料がかかります)
顧客の信頼獲得とECサイトの持続的な成長のためには、決済システムの設定を変更し、より安全な環境を構築することが不可欠です。
トップページや決済画面での適切な表示にも配慮し、利用者が安心して買い物ができるよう確認を徹底しましょう。
ECカートにおけるセキュリティ対策に関してご質問がある方や、さらに詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。