⽶のさくら屋様

届けたいのは⽣産者の想い

藤川様

「ゆめぴりか専⾨店 ⽶のさくら屋」が販売するのは、⾷味ランキングで3年連続特Aに格付けされている北海道最⾼峰の⽶・ゆめぴりか。特徴は、炊きあがりのツヤ、もっちりとしたほどよい粘り、噛むと⼝の中いっぱいに広がる⽢みと旨み、⿐に抜ける⾹りの良さ。⼀度⾷べたら最後、ゆめぴりかの虜になる⾆の肥えたお⽶好きが後を絶たない。⼀児の⽗でもある藤川さんは、⾷の安全や⾷育にも⼒を注いでいます。13軒の提携農家さんは、⻑年無農薬・減農薬にこだわり、愛情を込めて⽶を作る信念のある農家さんばかり。お客さんと⽶農家さん両⽅を笑顔にしたいと語る藤川さんの、明るくてまっすぐな⼈柄も⼈気店の理由。
Eストアーのネットショップ⼤賞グルメ部⾨1位、北海道の銘店賞などを受賞している。

全⾝に⿃肌が⽴つ美味しさ

ゆめぴりか専⾨のお店を始められたきっかけを教えてください。

「⽶のさくら屋」を会社として立ち上げたのは2009年、ゆめぴりか誕⽣の年です。実はこの仕事を始めるまで、私は⽶や農業とは無縁だったんです。実家が札幌でアパレル業を営んでいた関係で、私も⽗の会社や東京のアパレル企業で働いた時期もありましたし、札幌に戻ってからは営業会社で北海道中を歩きまわる⽇々でした。ただ、昔から雄⼤な⾃然と美味しい⾷材に恵まれた北海道が⼤好きだったので、仕事やプライベートで北海道179市町村を回り、美味しいものを⾷べ歩くことが楽しみのひとつでした。飲⾷店は3,000軒くらい回ったと思います(笑)。
そんな時、当時まだ⼀般に流通していなかった新品種のゆめぴりかを⾷べる機会がありました。⼤抵の北海道グルメは経験済みでしたが、しっとりもっちりした⾷感、噛むと⼝中に広がる⽶の⽢みと旨みが驚くほど美味しくて、気つけば全⾝に⿃肌。「こんなに旨いお⽶が北海道にあったのかぁ︕」と衝撃でした。そして、その感動をどうしても家族にも体感して欲しくて、ゆめぴりかを分けていただき⾃宅でも炊いてみました。炊き⽴ての⽶粒は宝⽯のようにつやつやと美しく、⾷べ始めた途端「このお⽶⽢くて美味しい︕どこのお⽶︖」「こんどからこのお⽶だね︕」とみんな⼤盛り上がり。美味しいお⽶を頬張りながらみんながニコニコしているのを⾒て、あ〜なんて幸せな時間だろうと感じました。
この体験を通して、私は“ゆめぴりか”という北海道⾃慢の⽶を全国の⽅に知ってほしい、誰かと⼀緒に美味しいものを⾷べる幸福感を沢⼭の⼈に味わって欲しい、と強く想うようになりました。正直、お⽶のことを何も知らない状態でしたが、⼼に湧き上がる思いに突き動かされ、⽶屋になることを決めました。

無農薬農法は⾃然との闘い

運命の出逢いですね︕さくら屋のゆめぴりかにはどんなこだわりがあるのでしょうか︖

現在、道内13軒の⽶農家さんから厳選したゆめぴりかを仕⼊れています。どの農家さんも無農薬・減農薬の農法にこだわっていて、「美味しくて安⼼安全な⽶を⾷卓に届けたい︕」という想いはさくら屋と同じです。今回、⽥んぼを⾒学させてもらった記⻁(きとら)さんが作るお⽶には、「アイガモ農法無農薬ゆめぴりか」があります。合鴨農法のポイントは、⽔⽥に放った合鴨のヒナが雑草や害⾍を⾷べ、フンが有機肥料になり、⽔⽥を泳ぎ動き回ることで⽔や⼟に酸素が混ざって稲が育ちやすい⼟壌になるので、除草剤、防⾍剤、化学肥料を使⽤せずに済むということです。
これだけ聞くと合鴨まかせで美味しい⽶ができるなんて最⾼、と思われるかもしれませんが、実際はそう簡単なことではありません。合鴨農法は合鴨がヒナの時期にしか⾏えないため、毎年ヒナを仕⼊れて育てる必要がありますし、⽔⽥から脱⾛したりイタチなどの外敵に襲われないよう柵を作って守る必要もあります。しかも、合鴨が⼤きくなってしまうと雑草だけでなく⼤切な稲穂や茎を折って⾷べてしまうので、稲の成⻑だけでなく合鴨の⽣育状況もよく⾒て⽔⽥に放す期間を⾒極める必要があるのです。

こうした⾃然の⼒を⽣かした⽶づくりは、⼈間の思いどおりにならないことも多く、苦労も⼿間も⾮常にかかります。それでも厳しい⾃然と向き合い、お⽶に愛情を注ぐからこそ記⻁さんのゆめぴりかは絶品なんです!美味しいだけでなく安⼼して⾷べられるお⽶が、⽣産者さんの並々ならぬ努⼒と真⼼の結晶であることを知ると、決して当たり前ではない、ありがたいことなんだなぁと⼼底感じるようになりました。

生産者によって、同じ品種でも個性が出るゆめぴりか

同じゆめぴりかでも、⽣産者さんによって味が違うのでしょうか?

⾯⽩いことに違うんです。うちの店では「⼤友仁司さんのゆめぴりか」「鈴⽊勝美さんのゆめぴりか」というように、⽣産者を選んでお⽶を買っていただけるのですが、毎年新⽶予約の時期になると、あっという間に完売するほど農家さんそれぞれにファンがついています。

例えば、⼤友仁司さんは、旭川よりも北の⼠別(しべつ)という地域で循環型農業の⽶作りをされています。寒暖差の激しい⽶作りに適した⼟地で、清流・天塩川の⽔を使って育てられるゆめぴりかは、⼝に⼊れたとき⿐に抜ける⽶の⾹りが⼀番良くて、冷めても炊きたてと変わらないツヤがピカイチです。
また、⽶職⼈と呼ばれる鈴⽊勝美さんは、札幌の北にある⽉形町(つきがたちょう)で⽶を作って50年の⼤ベテラン。鈴⽊さんの⽶は少量⽣産で市場に出回らず、知る⼈ぞ知る「幻のゆめぴりか」。稲を刈り取ったあと⽶の⾵味が落ちないよう通常の2倍の時間をかけて低温でじっくり乾燥させるため、その間に⽶が熟成し、ゆめぴりか特有の⽢みが特に際⽴ちます。⽣産者さんの地域や農法によって、⾊々な美味しさが⽣まれることに⽶の奥深さを感じますね。

そういう味の違いをしっかりとお客さんに伝えられるよう、さくら屋では毎朝私が⽶を研いで仕込み、お昼に炊き⽴てのゆめぴりかを⾷べています。やっぱり⾃分たちの⾔葉で味の違いやおいしさのポイントを語れないと、専⾨店とは⾔えないと思うからです。しかも私たちは⽶を作るわけでなく、⽣産者さんの⼤切な⽶を販売しています。さくら屋を信頼して取引してくださる⽣産者さんの期待を超えるためにも、信頼できる⽶屋になるためにも、地道な⽇々の積み重ねを⼤事にしたいですね。

安心して食べられるお米を未来へ

藤川さんがゆめぴりかの販売を通して大切にしていることを教えてください。

最初は⽶作りのことを何も知らず、とにかく、ゆめぴりかの美味しさをみんなに知って欲しいという想いで⽴ち上げたさくら屋でしたが、⽣産者さんと話をするうちに、⽶づくりの⼤変さ、年々衰退していく農業の厳しい実態を知りました。そんな中、これから⽶屋になる⾃分に何ができるだろうかと考えたとき、農家さんが⼀⽣懸命作った⽶を適正な価格で仕⼊れて販売する、というシンプルな結論にたどり着きました。美味しい⽶が安いと消費者はその瞬間は喜びますが、しわ寄せは確実に⽣産者にいきます。農家さんが、農業⼀本で⽣活ができ、⾃信を持って仕事に取り組める状況になることが、⽇本の農業、そして私たちの将来にもとても⼤切だと考えて⾏動しています。

さらに、⾷の安全が問われる今、さくら屋はより多くの⽅に安⼼安全で美味しい⽶を届けていきたいと考えています。その思いは⾃分が⽗親になったことでより強くなり、「初⽶ いろは」という商品で形にしました。いろはに使⽤する⽶はアイガモ農法の記⻁さんが作るゆめぴりかに限定して、通常よりも厳しい残留農薬、放射能、⾊彩、DNA、重⾦属の独⾃検査を⾏い、最後は⽶⾷味鑑定⼠資格を持つ私が⾃分の⾆で味をチェックしています。究極のゆめぴりかと⾔えるいろはを通して、まるで北海道の親戚のように(笑)、⾚ちゃんがたくましく健やかに成⻑するお⼿伝いができれば嬉しいですね。愛する北海道がはぐくんだ最⾼のゆめぴりかはもちろん、⽣産者さんと⼆⼈三脚、新たな⽶の魅⼒が味わえる商品作りにも挑戦していきます!

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