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食品ネットショップ開業|迷わない6つのSTEP

公開日:2026.02.27

食品ネットショップ開業|迷わない6つのSTEP

食品ネットショップを始めようと情報収集をすると、「食品衛生責任者」「営業許可」「営業届」「HACCP」「食品表示法」「特定商取引法」など、専門用語が一気に登場し、思わず手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。

食品は直接口に入るものだからこそ、雑貨やアパレルと比べてルールが細かく、準備不足のまま進めると「想定外の手続きが必要だった」「表示を修正するために販売を止めることになった」といった事態が起こりやすい分野です。一方で、食品ネットショップの開業は、2021年の食品衛生法改正によって制度が整理され、「何をすればよいか」が以前より明確になりました。

この記事では、これから食品ネットショップを開業したい初心者向けに、資格・届出(許可)・衛生管理・法令表記・出店方法・開業届を、混乱しない順番で6つのSTEPに分けて解説します。

ベーカリーショップとそのショップサイトを更新をしている人物

STEP 1:必須資格「食品衛生責任者」を取得する

食品ネットショップ開業の準備で、まず最初に確認したいのが人に関する要件です。
その中心になるのが「食品衛生責任者」という資格です。

結論から言うと、営業許可や営業届が関係する可能性が少しでもある場合は、食品衛生責任者を先に取得しておくのが最も無難です。取得自体のハードルが低く、後の工程で必須になる場面が非常に多いためです。

食品衛生責任者とは?(初心者向けに要点整理)

食品衛生責任者とは、食品を扱う現場において、衛生管理の中心的な役割を担う人のことです。具体的な役割を噛み砕くと、次の3つに集約されます。

  • 事故を起こさないための管理
    食中毒、異物混入、アレルゲン混入といったトラブルを未然に防ぐ
  • 衛生ルールを形骸化させない運用
    清掃・温度管理・記録・教育を「やりっぱなし」にせず、日常業務として回す
  • 行政対応の窓口
    保健所からの確認や指導があった際に、説明・対応の中心になる

【ポイント】
「資格」と聞くと試験や難易度を想像しがちですが、食品衛生責任者は多くの場合、1日の講習を受けるだけで取得可能です。ここでつまずくケースはほとんどありません。

「必須」と断定できないケースがある理由(ただし要注意)

仕入れ販売のみを行い、かつ厚生労働省が示す「営業届出対象外」に該当する場合、制度上は「届出のために食品衛生責任者が必須」とまでは言えないケースもあります。

しかし実務では、次のような理由から結果的に必要になることが非常に多いのが実情です。

  • 後から冷蔵・冷凍商品を扱いたくなる
  • セット販売や詰め替え販売を検討し始める
  • ECモールや取引先から衛生体制の提示を求められる
  • 万一の事故時に、説明責任や再発防止策を示す必要が出てくる

【ポイント】
「今は不要そう」でも、将来の展開を考える初心者ほど先に取得しておく方が安全です。
保健所での相談の際も話がスムーズに進みます。

食品衛生責任者の資格取得方法(具体的な進め方)

  • 受講先:各都道府県の食品衛生協会など
  • 実施形式:会場型/オンライン(自治体により異なる)
  • 所要時間:おおむね1日
  • 講習免除:調理師・栄養士・製菓衛生師など(要自治体確認)

【ポイント】
検索時は
「(都道府県名) 食品衛生責任者 養成講習会」
と入力すると、該当ページに辿り着きやすくなります。

STEP 2:拠点を決め、保健所に「届出」または「許可」を出す

このSTEPは、食品ネットショップ開業の中でも最も判断が重要な工程です。
なぜなら、ここで「営業許可」「営業届」「届出対象外」のどれに該当するかが決まり、必要な設備・準備・費用の規模が一気に固まるからです。

2021年法改正の考え方をシンプルに整理

2021年の食品衛生法改正によって、食品の営業は次の3区分に整理されました。

  • 営業許可が必要な営業
  • 営業届が必要な営業
  • 営業届出対象外の営業

【ポイント】
初心者が陥りやすいのは
「ネットで売るだけだから、何もいらないはず」
と自己判断してしまうことです。
判断基準は**食品名ではなく、自分が行う“工程”**です。

まず「拠点」を決めるとは?

ここでいう拠点とは、次のような場所を指します。

  • 食品を製造・加工する場所
  • 食品を保管する場所(常温・冷蔵・冷凍)
  • 梱包・ラベル貼付・発送を行う場所

ネット販売は全国に商品を届けられる分、ひとたび事故が起きると影響範囲が広がります。
そのため保健所は、「どこで」「どのような環境で」「どんな工程を行うか」を重点的に確認します。

「営業許可」が必要になりやすい典型例

  • 焼き菓子、惣菜、弁当、パン、ジャムなどを自分で製造する
  • 仕入れた商品を小分け・詰め替え・再包装する
  • 真空パック、瓶詰、冷凍加工など品質保持に関わる工程を行う
  • 製造・包装・保管までを自社で一貫して行う

営業許可申請+施設基準+施設検査が必要になる可能性が高い

「営業届」が必要になりやすい典型例

  • 冷蔵・冷凍食品を扱う
  • 日持ちしにくい食品を扱う
  • 許可業種には該当しないが、衛生管理が求められる形態

→ 原則として営業届の提出が必要

届出対象外になりやすい典型例

  • 常温で長期間保存可能な包装食品のみを未開封で販売
    (例:缶詰、ペットボトル飲料、個包装菓子など)

【ポイント】
同じ「仕入れ販売」でも、
常温未開封か、冷蔵・冷凍か、詰め替えがあるかで扱いが変わります。
最終判断は必ず保健所で確認しましょう。

保健所相談で「これだけは持って行く」3点セット

初心者でも、これがあれば会話が進みます。

1. 商品リスト(何を売るか)・商品名
・温度帯(常温/冷蔵/冷凍)
・販売形態(未開封/加工あり)
2.工程メモ(何をするか)・仕入→保管→(加工)→包装→ラベル→梱包→発送
・この流れを矢印で書くだけでOK
3.拠点メモ(どこでやるか)・自宅・別室・レンタルキッチン・工房・倉庫など
・冷蔵庫・冷凍庫の有無、作業台の有無

【ポイント】
設備を揃えてから相談すると、やり直しが発生するリスクがあります。
必ず事前に相談しましょう。

厚生労働省のサイトもしっかり確認しておきましょう。

STEP 3:HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理計画を作る

2021年改正のもう一つの大きな柱が、HACCPに沿った衛生管理です。
ここで重要なのは、立派な計画書を作ることではなく、現場で回る仕組みを作ることです。

HACCPを初心者向けに一言で言うと?

「事故が起きやすい場面をあらかじめ決め、毎回確認して記録する仕組み」です。
ネット販売は配送を挟むため、温度・時間・衛生管理が特に重要になります。

食品ネットショップで事故が起きやすい3つの山場

  1. 冷却・保管(温度が想定より上がる)
  2. 包装・ラベル貼付(取り違え、表示漏れ)
  3. 出荷(同梱ミス、配送温度の誤り)

【ポイント】
店内飲食と違い、お客様の手元で食べられるため、事故原因の切り分けが難しくなります。そのため「記録」が最大の防御になります。

初心者が作る「衛生管理計画」の最小セット

最初から完璧を目指す必要はありません。
次の4点を用意するだけで、HACCP運用はスタートできます。

  • 温度記録表(冷蔵・冷凍:朝/夕、出荷時)
  • 清掃・消毒チェック表(作業台、器具、床、手洗い)
  • 製造・出荷前チェック表(加熱・冷却・ラベル・数量・温度帯)
  • 体調管理ルール(下痢・発熱時は作業しない)

【ポイント】
「続くこと」が最優先です。
小さく始め、必要に応じて改善していきましょう。

「手引書」を使うのが最短ルート

小規模事業者は、厚生労働省が内容確認した「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」を活用すると、業種に合った最低限の運用に落とし込めます。

HACCPについて厚生労働省が公表している情報をしっかり確認しておきましょう。

STEP 4:ショップの出店方法を選ぶ(自社EC/モールなど)

ネットショップ開設に向けて、パソコンで情報を調べている人物

ここでようやく「どこで売るか」を決めます。
STEP4を後回しにしたくなる気持ちも分かりますが、初心者ほど先に決めた方がSTEP5(法令表記)が楽になります。

出店方法の比較表(初心者向け)

項目自社ネットショップ(ASP型)ECモールマーケット型
(フリマ等)
始めやすさ
集客
(自力)

(モール集客)

(プラットフォーム)
初期費用高め
ルール法令中心法令+モール規約法令+サービス規約
ブランディング
表示修正
(自分で反映)

(審査・制約)

(制約あり)
初心者適性△〜◯

初心者はどれを選ぶべき?

初めて食品ネットショップを開業する場合、自社ネットショップ(ASP型)から始めるのが最も安定します。

理由は次のとおりです。

  • 特商法など法令ページのテンプレートが整っている
  • 表示修正を自分の判断で即反映できる
  • 小さく始めて運用を固め、後から販路拡張できる
  • ブランドを育てやすい

【ポイント】
モールは集客が強い反面、規約・審査・表現チェックが多く、初心者が「法令+規約」の二重対応で疲弊しやすいです。まずは自社ECで運用を固め、売れてから拡張が王道です。

食品ECについては以下の記事が参考になります。
食品ECとは?特徴・課題・成功のポイントを解説

STEP 5:ネットショップ上に「法令」に基づく表記をする

食品ネットショップは、「味」だけでなく「安心」で買われます。
その安心の中核が 食品表示(ラベル)特商法表記(ショップ表示) です。

食品表示法(ラベル)で押さえるべき項目

加工食品で基本となる表示は以下のとおりです。

  • 名称
  • 原材料名(添加物・アレルゲン含む)
  • 内容量
  • 賞味期限/消費期限
  • 保存方法
  • 製造者/販売者の名称・住所
  • 栄養成分表示

【ポイント】
表示ミスは単なる誤字では済まず、健康被害や信頼低下に直結します。
誰が・いつ・どう確認するかという運用まで決めておくのが安全です。

食品表示については消費者庁サイトで必ず確認しましょう。

特定商取引法(特商法)で必須のショップ表記

ネット販売では、次の情報を明確に表示します。

  • 事業者名(法人名/屋号)
  • 所在地
  • 連絡先
  • 販売価格
  • 送料
  • 支払い方法
  • 引渡時期
  • 返品・キャンセル条件

【ポイント】
食品は返品不可が多いため、
「不良品・破損・誤配送の場合の対応」を具体的に書くとトラブルを防げます。

消費者庁で公表している特定商取引法ガイドをしっかり確認しておきましょう。
消費者庁「特定商取引法ガイド(通信販売)」

広告・表現で関係する法律(初心者がつまずきやすい)

食品ネットショップでは、商品説明文・LP・SNS投稿・広告文も「表示」として見られます。そのため、食品表示法のラベルだけ整えても、コピーが過剰だと別の法律でリスクが出ます。

  • 景品表示法
    実際よりも著しく良く見せる表示(優良誤認)や、価格・条件を有利に見せる表示(有利誤認)などを規制
  • 健康増進法(表示規制)
    「飲むだけで痩せる」「病気が治る」など、健康効果を断言・誤認させる表現を規制

【ポイント】
初心者ほどやりがちなのが、「お客様に刺さる言葉」を優先しすぎて断定表現に寄ってしまうことです。
食品は医薬品ではないため、効果を言い切らず、事実ベース(原材料・製法・味の特徴・利用シーン)で魅力を作る方が安全です。

こちらも消費者庁のサイトで事前に確認しておきましょう。

米・米加工品を扱うなら(米トレーサビリティ法)

お米や米加工品(例:おにぎり、弁当、米菓、清酒など)を扱う場合、流通経路を追えるようにするためのルールが関係します。

特に、取引記録の保存や産地情報の伝達など、取扱形態によって求められる対応が出ることがあるため、該当する方は事前に「米トレーサビリティ法の概要」を確認しておくと安心です。

お米のネット販売については以下の記事が参考になります。
米農家がネット販売するには?食品表示や届け出、始め方などの基本情報を解説!

STEP 6:開業届を提出し、運営開始

最後に、税務上の手続きを整えて運営開始です。ここは食品特有というより「事業者としての手続き」ですが、見落とすと後から面倒になるため、開業前に押さえておきましょう。

個人事業主の場合(代表例)

  • 税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出
  • 併せて検討:青色申告承認申請(節税面でメリットが出やすい)

【ポイント】
開業届は「売れてから出せばいい」と思われがちですが、基本は事業開始に合わせて提出する方が整理しやすいです。

経費計上、会計処理、口座管理などの“事業者としての整え方”が一気に進みます。

運営開始後に“必ずやること”(食品ECの継続ポイント)

食品ネットショップは「開業したらゴール」ではなく、安全に売り続ける運用が本番です。最低限、次の4点は「継続業務」として最初から設計しておきましょう。

表示(ラベル)の見直しレシピ変更・仕入先変更・製造所変更のたびに更新
(更新日と担当者を残す)
HACCP記録温度・清掃・出荷前確認のチェックを止めない
(忙しい日ほど抜けやすい)
問い合わせ対応食品はタイムリミットがあるため、返信が遅いだけでクレームに発展しやすい
配送事故のルール遅延・破損・誤配送時の再送/返金/回収の基準を明文化しておく

【ポイント】
食品ネットショップは「開業して終わり」ではありません。
安全に売り続ける仕組み(運用+記録+表示)が、信頼とリピートを作ります。

開業届の書き方については以下の記事が参考になります。
ネットショップの開業届は必要?開業届の基礎知識と書き方ガイド

ネットショップ開業の全体像については、こちらの記事も参考にしてください。
ネットショップ開業で失敗しない完全ガイド|原因・成功のコツ・軌道に乗せる実践策

まとめ

食品ネットショップの開業は、ルールが多いぶん不安になりやすいですが、順番さえ守れば初心者でも着実に前に進めます。改めて流れを整理すると、次の6ステップです。

  1. 食品衛生責任者を取得する
  2. 拠点を決め、保健所に「届出」または「許可」を出す
  3. HACCPに沿った衛生管理計画を作る
  4. ショップの出店方法を選ぶ(自社EC/モールなど)
  5. ネットショップ上に法令に基づく表記をする
  6. 開業届を提出し、運営開始

【ポイント】
食品ECで一番の近道は「とにかく早く公開する」ことではなく、
“安全に売って、事故なく続ける状態を作ること”です。
法令遵守は制約ではなく、長く選ばれるショップになるための土台です。

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