ネットショップ開業に資格は必要?許可と手続きを整理
公開日:2026.02.27
ネットショップは思い立ったらすぐ始められる一方で、「資格って必要?」「許可を取らないと違法?」と不安になりがちです。結論から言うと、雑貨や新品アパレルなど多くの商品は“資格なし”で開業できます。
ただし、食品・お酒・中古品・化粧品・医薬品などは、商品や販売形態によって許可や届出が必要です。この記事では、ネットショップ開業に必要な「資格・許可・法律・届出」を、初心者にも分かる形で整理します。

- ネットショップ開業で必要なのは「資格」より「許可・法律・届出」
- まず結論|資格なしで始められるケースも多い
- 商品別|ネットショップ開業に必要な資格・許可一覧
- 食品を売る場合に必要な資格・許可
- 健康食品・サプリを売る場合の注意点(薬機法・表示)
- 中古品(古着・古本・アンティーク等)を売るなら古物商許可
- 化粧品・香水を売る場合の許可の考え方
- 医薬品をネットで売るのはハードルが高い
- 輸入品を扱う場合は「税金・規制・禁制品」に注意
- ネットショップ運営で必須の法律|特定商取引法(特商法)
- 商品ページの「表示ルール」も要チェック(誇大表示・ラベル等)
- 開業届は必要?メリット・デメリットで判断しよう
- ネット販売できない(または制約が強い)ものもある
- 失敗しないためのチェック手順(初心者向け)
- 資格に振り回されず、必要な許可だけ押さえてスムーズに開業しよう
ネットショップ開業で必要なのは「資格」より「許可・法律・届出」
ネットショップ開業で混同しやすいのが「資格」と「許可」です。ざっくり言うと、資格=人に必要、許可=事業・場所・業種に必要というイメージです。まずは全体像を押さえましょう。
【ポイント】最初に覚えるべき4つのカテゴリー
- 商品によって必要な「許可・資格」(例:食品衛生責任者、古物商許可など)
- 商品の表示ルール(誇大表示やラベルの決まり)
- ネットショップ運営の基本ルール(特定商取引法)
- 開業時の手続き(開業届など)
まず結論|資格なしで始められるケースも多い
ここが一番知りたいポイントだと思いますが、多くのネットショップは「資格なし」でスタートできます。ただし、扱う商品によって話が変わります。
【ポイント】資格・許可が「基本いらない」代表例
- 新品の衣類、雑貨、アクセサリー(仕入れてそのまま販売)
- 加工しない農産物(野菜・果物などをそのまま販売)
- 国内で製造され、すでに包装済みの食品を“開封せず”そのまま販売(ケースによる)
一方で、次のような商品は要注意です。
- 食品を製造/加工する(お菓子、ジャム、惣菜など)
- 中古品を仕入れて販売する(古着、古本、中古パーツなど)
- お酒を販売する(アルコール度数1%以上)
- 化粧品を製造/改変して売る、または輸入化粧品を販売する
- 医薬品を販売する(ネット販売は制限が厳しい)
商品別|ネットショップ開業に必要な資格・許可一覧
「結局、自分の商品は何が必要?」となりやすいので、まずは代表ジャンルを一覧で整理します。
【ポイント】商品別の目安
- 食品(製造/加工あり):営業許可+食品衛生責任者が必要になりやすい
- 中古品(仕入れて転売):古物商許可が必要になりやすい
- お酒:通信販売酒類小売業免許が必要
- 化粧品:製造やラベル変更などをするなら許可が必要になりやすい
- 医薬品:許可・人員要件が厳しく、初心者向きではない
食品を売る場合に必要な資格・許可
食品は「何を、どこで、どう加工するか」で必要な手続きが変わります。ネットで売るからといって自由になるわけではなく、食品衛生のルールは実店舗と同じ感覚で考えると安全です。
食品衛生責任者とは(人に必要な資格)
食品を扱う営業では、施設ごとに食品衛生責任者を1名以上置くことが求められるケースがあります。取得は講習受講が基本で、調理師や栄養士などは講習免除になる場合があります。
【ポイント】食品衛生責任者が必要になりやすい例
- キッチン/工房で食品を製造・加工して販売する
- 小分け・詰め替えなど、衛生管理が必要な工程がある
食品衛生法にもとづく「営業許可」が必要なケース
食品の製造・加工・販売形態によって、菓子製造業、そうざい製造業など、該当する許可が変わります。ここは自治体・保健所の判断も入るので、最終確認が重要です。
【ポイント】許可が必要になりやすい例
- 手作りスイーツ、惣菜、ジャム、ドレッシングなどを作って売る
- 魚介類を加工して売る
- 飲食店の人気メニューを「通販用に」販売する(別許可が必要になることも)
許可が不要になりやすい食品の例
食品でも、やり方次第で許可が不要なケースがあります。ただし「不要だと思っていたら実は必要だった」が起きやすい領域なので注意してください。
【ポイント】許可が不要になりやすい例
- 野菜や果物などの農産物を加工せずに販売
- 国内で仕入れた包装済み食品を、開封やラベル変更なしで販売(ケースによる)
食品を取り扱うネットショップの開業準備については以下の記事で詳しく解説しています。
健康食品・サプリを売る場合の注意点(薬機法・表示)
健康食品やサプリは「許可が要る/要らない」よりも、表示や広告表現のルールでつまずきやすいジャンルです。食品なのに、医薬品っぽい言い方をするとアウトになりがちです。
【ポイント】やりがちなNG
- 効果効能を断定する(例:「治る」「改善する」など)
- 医薬品と誤解される表現を使う
- トクホなど制度の名称を誤って使う
中古品(古着・古本・アンティーク等)を売るなら古物商許可

中古品を「仕入れて販売」するなら、古物営業法の古物商許可が必要になるのが基本です。フリマで自分の私物を売るのとは扱いが違います。
【ポイント】古物商許可が必要になりやすい例
- 古着を仕入れて販売する
- アンティーク雑貨や古本を仕入れて販売する
- 中古パーツでカスタムした商品を販売する
- 買い取り→修理→販売、レンタルなど
【ポイント】古物商許可が不要になりやすい例(ただし線引き注意)
- 自分が使っていた私物を売る
- 無償で譲り受けたものを売る(ケースによる)
アルコール度数1%以上のお酒、みりんを売る場合は、酒税法に基づく免許が必要になります。ネットショップで全国販売をするなら、基本的に通信販売酒類小売業免許が論点になります。
【ポイント】お酒販売で事前に確認したいこと
- どの免許が必要か(一般/通信販売など)
- 申請先は税務署
- 未成年飲酒防止の表示、管理者選任など運用面のルールもある
化粧品・香水を売る場合の許可の考え方
化粧品は「仕入れてそのまま売る」なら許可が不要なケースもありますが、製造・表示変更・輸入が絡むと話が変わります。
【ポイント】許可が必要になりやすい例
- 手作りコスメを製造して販売する
- 容器詰め替え、ラベル変更など“表示・保管”工程を自社で行う
- 海外から化粧品を輸入して販売する(個人輸入転売を含む)
医薬品をネットで売るのはハードルが高い
医薬品は、販売できる種類に制限があり、薬剤師や店舗要件など条件が重なります。初心者が「まずはネットショップで」から入る商材としては、難易度が高い部類です。
【ポイント】
- 売れる医薬品の種類が限られる
- 薬剤師・登録販売者など人員要件が絡む
- 実店舗や許可、運用ルールが必要
輸入品を扱う場合は「税金・規制・禁制品」に注意
海外仕入れは利益が出やすい反面、手続きとリスクが増えます。特に食品、食器、ベビー用品、動植物、毛皮製品、お酒などは規制が絡みやすいです。
【ポイント】輸入で確認したいこと
- 関税や輸入時の税金がかかるか
- 検疫や届出が必要な品目か(食品など)
- 輸入禁止・規制対象(条約対象など)に触れないか
ネットショップ運営で必須の法律|特定商取引法(特商法)
商品ジャンルに関わらず、ネットショップで必須になりやすいのが特定商取引法に基づく表示(特商法表記)です。これがないと、信頼面でも法律面でもリスクが高まります。
【ポイント】特商法表記で最低限そろえたい項目
- 事業者名(氏名/会社名)、住所、電話番号
- 販売価格、送料
- 支払い方法、支払い時期
- 引き渡し時期(発送の目安)
- 返品・キャンセルの条件(返品特約)
商品ページの「表示ルール」も要チェック(誇大表示・ラベル等)
ネットは情報がすべてなので、表示が原因でトラブルになりやすいです。特に、食品・化粧品・医薬品・衣類・輸入品は、表示のルールが細かくなりがちです。
【ポイント】ジャンル別に注意するべき表示
- 食品:原材料や栄養表示、加工品の表示ルール
- 化粧品/医薬部外品:効能効果の言い方、表現規制
- 衣類:品質表示(素材・洗濯表示など)
- 輸入品:原産国表示の誤認を避ける
開業届は必要?メリット・デメリットで判断しよう
ネットショップを始めたら「開業届を出すべき?」も悩みどころです。結論としては、罰則はないが、出すメリットは大きいという位置づけで、状況により判断が変わります。
開業届を出すメリット
青色申告の活用など、事業として整えるうえでプラスに働きます。
【ポイント】代表的なメリット
- 青色申告が使える(要件を満たせば控除など)
- 事業をしている証明になり、口座や各種手続きで便利
- 共済や融資などの制度にアクセスしやすい場合がある
開業届を出すデメリット(手間・制度面)
デメリットは「出したら即損」というより、運用面の負担が増えることです。
【ポイント】代表的なデメリット
- 帳簿付けの手間が増える(特に青色申告)
- 状況によっては制度上の影響が出る(失業給付など)
ネットショップ開業届については以下の記事で詳しく解説しています。
ネットショップの開業届は必要?開業届の基礎知識と書き方ガイド
ネット販売できない(または制約が強い)ものもある
「ネットなら何でも売れる」と思いがちですが、販売形態として制約が強いものがあります。代表例として、犬猫などのペット販売、不動産取引などはオンライン完結が難しい領域です。
【ポイント】ネット販売で注意が必要な例
- 犬・猫など(対面説明などの要件が絡みやすい)
- 不動産(重要事項説明などの手続きが絡む)
失敗しないためのチェック手順(初心者向け)
最後に、「自分の商品は何が必要か」を迷わず確認できるよう、進め方をまとめます。
【ポイント】確認の手順
STEP1:商品カテゴリを決める(食品/中古/酒/化粧品/医薬品/輸入など)
STEP2:「加工するか」「ラベルを変えるか」「輸入するか」を整理する
STEP3:窓口を確認する(保健所/警察署/税務署/薬務課など)
STEP4:特商法表記と表示ルールを整備する
STEP5:開業届を出すか判断する(税務・運用の都合で)
ネットショップ開業の全体像については、こちらの記事も参考にしてください。
ネットショップ開業で失敗しない完全ガイド|原因・成功のコツ・軌道に乗せる実践策
資格に振り回されず、必要な許可だけ押さえてスムーズに開業しよう
ネットショップ開業で大事なのは、「資格が要るか?」よりも、商品に応じて必要な許可・表示・法律対応を最初に整理することです。雑貨や新品アパレルなら資格なしで始められる一方、食品・中古品・お酒・化粧品・医薬品・輸入は手続きが増えます。
そして、どのジャンルでも共通して重要なのが、特商法表記など“信頼の土台”を整えること。ここができると、購入率にもクレーム率にも効いてきます。
これからネットショップを立ち上げるなら、まずは「扱う商品」と「販売形態(加工・輸入・中古仕入れ)」を決めたうえで、必要な許可チェックを一気に進めるのが近道です。
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