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ネットショップで冷蔵・冷凍食品販売を始める方法

公開日:2026.01.13

ネットショップで冷蔵・冷凍食品販売を始める方法

ネットショップで冷蔵・冷凍食品販売を始める際の温度管理・配送・システム選びの基本を解説

近年の異常気象や猛暑の影響で、食品の温度管理はこれまで以上に重要度を増しています。特にネットショップで冷蔵・冷凍食品を扱う場合、保管方法や配送、表示ラベルの選び方ひとつで商品の品質や顧客満足度が大きく左右されます。温度変化に弱い食品を安心して届けるためには、事前の準備と仕組みづくりが欠かせません。

本記事では、これから食品販売を始めたい事業者や、既に食品ECを運営していて冷蔵・冷凍商品の取り扱いを検討している事業者に向けて、温度管理を中心とした実務の基本と注意点をわかりやすく解説します。

食品EC拡大の背景と温度管理リスクの高まり

食品をネットショップで販売する流れは、ここ数年で確実に広がっています。背景には、消費者の購買行動の変化と、ギフト需要の高まりがあります。コロナ禍をきっかけに「自宅で全国各地の食品を取り寄せる」習慣が定着し、地域食材や産直商品をネットで購入する人が増加しました。

実際に、経済産業省が公表した「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2023年のBtoC-EC市場規模は24兆8,435億円、そのうち物販系分野は15兆4,164億円に達しています。この中で「食品・飲料・酒類」分野は2兆9,299億円(前年比6.52%増)と報告されており、食品ECは確実に成長を続けていることが分かります。
出典:経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」2024年9月25日公表

一方で、市場の拡大と同時に課題も浮き彫りになっています。それが「温度管理リスク」です。近年の猛暑や台風などの異常気象は、食品配送における品質維持の難易度を高めています。冷凍や冷蔵が必要な商品は、輸送中の温度がわずかに変動するだけで品質が損なわれ、最悪の場合は腐敗や解凍によるクレームにつながることもあります。

このように食品ECは大きなチャンスである一方で、温度管理を含めた品質保持の仕組みを整えないと継続的な運営は難しく、成功と失敗を分ける大きな要因となるのです。

温度帯と三温管理の基本知識

食品ECを安全に運営するためには、まず「温度帯」の基本を理解することが欠かせません。温度管理の考え方を正しく押さえておくことで、トラブルを防ぎ、商品を安心して届けられるようになります。ここでは、常温・冷蔵・冷凍の違いと、複数温度帯を扱う場合に必要な「三温管理」について解説します。

常温
主に米や乾物、缶詰、調味料など、比較的保存性の高い商品に適しています。ただし、常温といっても「直射日光を避ける」「高温多湿を避ける」といった基本的な管理は必須です。

冷蔵
チーズやハム、惣菜など、低温での保存が必要な商品に適しています。一般的には0〜10℃程度での管理が基準とされ、品質劣化を防ぐ役割を果たします。

冷凍
肉や魚、冷凍スイーツなど、長期保存が求められる商品に適しています。−18℃以下での管理が基本で、この温度帯を維持できないと「解凍・再冷凍」が起き、品質や安全性に大きな影響を与えます。

冷蔵と冷凍は同梱不可

冷蔵と冷凍の商品は、一見同じ「クール便」のため同梱できそうに思われがちですが、実際には難しいのが現実です。
冷蔵は0〜10℃、冷凍は−18℃以下と適正温度が大きく異なるため、同じ梱包で送るとどちらかの商品にダメージが出てしまいます。例えば、冷凍アイスと冷蔵チーズを一緒に送れば、チーズは凍結し、アイスは溶ける…といった事態が起こりかねません。結果的に顧客満足度の低下や返品リスクに直結します。

三温管理対応の重要性

常温・冷蔵・冷凍を同時に扱う店舗が増える中で注目されているのが「三温管理」です。これは、商品ごとに異なる温度帯を正確に仕分けて管理し、受注から出荷までスムーズに流す仕組みのことを指します。

三温管理ができていないと、

  • ・誤った温度帯で配送して商品が傷む
  • ・配送費用が余計に発生する

など、顧客からのクレームや返品が増えるといった問題が起こりやすくなります。

逆に、三温管理に対応したECシステムや物流体制を整えれば、常温・冷蔵・冷凍をまたぐ複雑な注文でも自動的に仕分けでき、事業者の負担を減らしつつ顧客体験を向上させることができます。

冷蔵・冷凍食品ECを始める前に必要な準備

冷蔵・冷凍食品のネットショップ販売を始めるにあたっては、商品そのものの品質だけでなく、法的な準備やパッケージングの工夫も欠かせません。ここでの対応を疎かにすると、後々のトラブルやクレームにつながる可能性があります。

食品衛生法・食品表示法・営業許可・HACCP義務化

食品を販売する事業者は、関連法規を遵守する義務があります。

  • 食品衛生法:販売する食品の安全性を確保する法律で、加工食品の製造・販売には原則として保健所の許可や届出が必要です。
  • 食品表示法:栄養成分表示や消費期限・賞味期限、原産地などを正しくラベルに記載することが求められます。
  • 営業許可:菓子製造業や惣菜製造業など、扱う食品の種類に応じて営業許可が必要となるケースがあります。
  • HACCP(ハサップ):2021年6月から、原則すべての食品事業者に義務化された衛生管理の仕組みです。特に冷蔵・冷凍食品を扱う場合は、より厳格な温度・衛生管理が求められます。

これらを満たさずに販売すると、行政指導や営業停止のリスクがあるため、事前に必ず確認しておくことが重要です。

食品ラベルの注意点

冷蔵・冷凍食品の場合、ラベル選びは重要です。配送中や解凍時に水滴や霜が発生すると、一般的な紙素材のラベルはふやけて破れたり、印字がにじんだりします。
耐水性のあるフィルム素材(例:ユポ紙)や、冷凍環境に対応した強力な粘着糊を使用することが推奨されます。実際に、検証では「冷凍用ユポラベル」が最も剥がれにくく、結露後も品質を保てる結果が出ています。小さな工夫ですが、ラベルひとつで「届いた瞬間の第一印象」が大きく変わるのです。

同梱物の工夫

冷蔵・冷凍食品に同梱するチラシやレシピにも注意が必要です。結露や霜で濡れてしまうと、紙がシワになったり文字がにじんだりして「せっかくの案内が読めない」状態になりかねません。

これを防ぐためには、耐水紙を使用する、PP加工(表面を樹脂でラミネートする)を施すなどの工夫が有効です。見た目や触り心地の工夫によって「細部まで気配りしている」という印象を与えることができ、顧客満足度を高める要素にもなります。

商材の保管と在庫管理

冷蔵・冷凍食品のネットショップ販売では、商品を「どう保管し、どう在庫を管理するか」が大きな課題になります。保管方法を誤ると品質劣化や廃棄につながり、在庫管理を怠れば欠品や出荷遅延を招くことになります。ここでは基本的なポイントを整理してみましょう。

冷蔵・冷凍商品の保管ルール

冷蔵・冷凍食品は、それぞれ適切な温度帯での保管が欠かせません。

  • 冷蔵:0〜10℃程度。肉や魚、乳製品、惣菜などが対象です。庫内の温度が均一になるよう、詰め込みすぎを避けることも大切です。
  • 冷凍:−18℃以下が基本。解凍・再冷凍を繰り返すと品質が著しく落ちるため、在庫の出し入れには注意が必要です。

また、庫内での商品配置も重要です。冷気が循環するようスペースを確保し、同じ商品はロットごとにまとめて整理することで、ピッキング作業の効率化と品質維持を両立できます。

賞味期限・消費期限の管理

食品は「賞味期限」や「消費期限」が必ず設定されています。これを正しく管理しないと、配送時に期限切れの商品が届くなど重大なトラブルを引き起こします。
実務では、出荷時点で一定日数以上の余裕を残す「出荷期限ルール」を設けることが一般的です。例えば、「消費期限まで最低でも7日残っている商品しか出荷しない」といった基準を持つことで、クレームを防止できます。

また、受注から出荷までのリードタイムを踏まえた在庫引き当ても必要です。将来の配送指定に対応できるよう、在庫管理システムやエクセルで期限別にロットを管理しておくことが望まれます。

在庫切れや廃棄を防ぐためのロット管理方法

冷蔵・冷凍食品は保管コストが高く、廃棄ロスが発生しやすい商材です。そのため「先入れ先出し(FIFO)」のルールを徹底し、古いロットから出荷する仕組みを整えることが重要です。

また、在庫数だけでなく「期限ごとの残数」を把握しておくと、販促計画や値引き販売などの施策にも活かせます。特にサブスクリプション型の定期便を運営する場合は、一定周期での需要を見越して在庫を確保することが安定運営につながります。

配送方法の選び方

冷蔵・冷凍食品のネットショップ販売では、「どの配送方法を選ぶか」が顧客満足度を大きく左右します。配送がうまくいかないと、せっかくの商品が台無しになり、リピートどころかクレームにつながりかねません。ここでは基本的なポイントを解説します。

クール便の種類

代表的な冷蔵・冷凍配送サービスには、ヤマト運輸の「クール宅急便」と佐川急便の「飛脚クール便」があります。いずれも冷蔵・冷凍の温度帯に対応しており、全国配送が可能です。ただし、取り扱いエリアや細かなサービス仕様には違いがあるため、自社の商品特性に合わせて選ぶことが重要です。

保管期間の短さと受け取りリスク

クール便は常温配送と比べて、配送業者の保管期間が短く設定されている点に注意が必要です。冷蔵・冷凍商品の品質は温度変化に敏感であるため、長期保管には適していません。
一般的に、ヤマト運輸の「クール宅急便」や佐川急便の「飛脚クール便」では、常温便よりも短い期間で受け取りを済ませることが推奨されています。業界解説では「ヤマトは3日程度」「佐川は4日程度」が目安とされていますが、これは公式な保証ではなく、あくまで慣習的な運用と考えるべきです。
そのため、ネットショップ側は「確実に受け取れる日時」を顧客に指定してもらう仕組みを整えることが重要です。配送業者との契約条件や最新の取り扱いルールは随時確認し、トラブルを未然に防ぐ体制を整えておきましょう。

日時指定・出荷上限数の設定可否

冷蔵・冷凍食品は製造や梱包のキャパシティに限界があるため、日ごとに出荷できる数を超えて注文を受けてしまうと、指定日に発送できないリスクが生じます。
これを防ぐには、ECカートシステムに「日別出荷上限数」や「配送日時指定」の設定機能が備わっていることが欠かせません。これらが標準機能として用意されていれば、在庫数だけでなく日ごとの出荷可能数を自動で管理でき、無理のない運営が可能になります。

顧客体験を高める工夫

冷蔵・冷凍食品のネットショップでは、品質や温度管理は当然の前提です。そのうえで大切になるのが「顧客体験をどう高めるか」です。商品が届いた瞬間に「買ってよかった」と感じてもらえる仕組みを用意すれば、リピートや口コミにつながりやすくなります。

ギフト対応(熨斗、包装、水滴に強い印刷物)

食品はギフト用途が多い商材です。熨斗やラッピングの有無はもちろん、冷蔵・冷凍環境で濡れてしまわないよう、水滴に強い資材を使うことも重要です。耐水紙の熨斗やPP加工を施した案内状など、小さな工夫が「贈り物にふさわしい品質」を演出します。

レシピや活用例の同梱で「体験価値」を提供

商品を単に届けるだけでなく、「どう楽しんでもらうか」を提案することが顧客体験の向上につながります。たとえば、冷凍肉を購入したお客様にアレンジレシピを添えたり、スイーツにおすすめの食べ方を案内したりすることで、「次もこのショップで買いたい」という気持ちを育てることができます。

ブランドストーリーの発信でリピート促進

食品は「美味しい」だけでは差別化が難しい分野です。生産者の想いや商品の背景ストーリーを伝えることで、他店にはない独自性を持たせられます。商品に同梱するリーフレットや、サイト上での特集ページを活用すれば、「共感によるリピート購入」を生み出すことができます。

ECカートシステム選びのポイント

冷蔵・冷凍食品のネットショップは、常温商品と比べて管理が複雑です。そのため、導入するECカートシステムがどこまで温度管理や配送に対応できるかが、運営の安定性を大きく左右します。以下の観点を押さえておくと安心です。

1. 日別出荷数・配送日指定・三温管理に対応しているか

冷蔵・冷凍食品は、製造や梱包のキャパシティに限界があります。そのため、日別の出荷上限数を設定できる機能があると「注文が集中して発送できない」といったトラブルを防げます。
また、顧客が確実に受け取れる日時を指定できる機能は必須です。さらに、常温・冷蔵・冷凍を同時に扱う場合には「三温管理」に対応しているシステムを選ぶことで、商品ごとに正しい温度帯で自動仕分けでき、業務負担を減らせます。

2. 物流会社とのデータ連携が可能か

受注データを配送業者に正しく連携できる仕組みは、冷蔵・冷凍ECでは特に重要です。出荷場所や配送先住所に応じて最短お届け日を自動計算できる機能や、クール便の区分を間違いなく伝達できる仕組みがあれば、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

3. 冷蔵・冷凍食品に特化したECカートか

一般的なECカートでも食品販売は可能ですが、冷蔵・冷凍食品に特化した機能を標準搭載しているかどうかが大きな差になります。例えば、温度帯ごとの送料計算や、クール便オプションの設定が簡単にできる仕組みが備わっていれば、運営の効率と顧客満足度の両立につながります。

まとめ

冷蔵・冷凍食品のネットショップ販売は、需要拡大が続く大きなチャンスのある分野です。しかし同時に、温度管理・賞味期限・配送方法といった特有の課題に直面します。品質を守りながら顧客に商品を届けるためには、「始める前に仕組みを整えること」 が何より重要です。

本記事で触れたように、

  • ・温度帯の理解と三温管理
  • ・法律やラベル、同梱物の工夫
  • ・保管と在庫管理
  • ・適切な配送方法の選択
  • ・顧客体験を高める工夫
  • ・システム選び

これらを押さえることで、トラブルを防ぎ、安心して食品販売を続けることができます。

特にシステム面は、運営効率と顧客満足度を両立するうえで欠かせません。「Eストアーショップサーブ」なら、冷蔵・冷凍・常温を自動で仕分けできる三温管理機能や、配送希望日の指定機能を標準搭載。食品ECの現場で必要とされる機能を網羅しているため、初めてでも安心してネットショップを始められます。

冷蔵・冷凍食品ECをこれから始めたい方は、ぜひ一度Eストアーショップサーブにご相談ください。

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