• EC基礎知識

ターゲットが曖昧では売れない!ペルソナ設定の基本

ペルソナの設定で、戦略的なマーケティングの実現と顧客ニーズに応えたアプローチを可能にする

取り扱う商品を熟考し、マーケティング戦略を練ることが、EC事業を成功させるカギとなります。そのためには、ターゲットとなる顧客像を明確にすること=「ペルソナ」の設定が欠かせません。今回はペルソナの重要性と、どのようにペルソナを設定するかについて解説します。

ペルソナとは

ペルソナとは、特定の顧客層を代表する架空の人物像のことです。例えば、自社のECサイトで売れている商品が「オーガニック食品」だったとします。その場合、ペルソナを設定することで、「どんな人がオーガニック食品に興味を持つのか」を具体的にイメージし、マーケティングや商品開発の方針を決めやすくなります。

単に「ターゲット層は30代の女性」という漠然とした属性ではなく、「30代前半の子どもを持つママで、健康や環境に気を使っている人」といった具体的な人物像を設定します。このように詳細に設定されたペルソナに合わせた戦略を取ることで、マーケティング効果が高まり、商品やサービスの魅力がターゲット層にしっかり伝わるようになります。

ペルソナ設定の重要性

商品やサービスを一生懸命アピールしても、「なかなか売れない」「反応が薄い」と感じる原因は、“誰に向けて発信しているのか”が曖昧だからかもしれません。
ここでは、ペルソナ設定がなぜ重要なのか、3つのポイントで解説します。

1. マーケティング戦略の明確化

ペルソナを設定することで、広告やコンテンツの方向性を具体的に決めることができます。ターゲットが明確であれば、どのような言葉を使うべきか、どのメディアで宣伝を行うべきかがわかりやすくなります。

具体例
「エコバッグ」を販売するECサイトの場合、ペルソナを「20代後半、環境問題に関心があり、SNSを積極的に利用する女性」に設定すると、InstagramやTikTokなど、若者に人気のSNSを中心に広告を出すことが適切だとわかります。また、環境に優しい素材やデザインをアピールするようなコンテンツを作成するなどの方向性も見えてきます。

2. 商品やサービスの改良に役立つ

ペルソナを明確にすることで、その顧客が本当に求めている商品やサービスが見えてきます。例えば、ペルソナが「忙しい共働きの親」という場合、その顧客が求めるのは手軽さや便利さです。この情報を基に商品ラインを見直したり、新たな商品を追加したりすることができます。

具体例
「時短家電」を販売していて、ペルソナを「朝早く出勤し、夜遅く帰宅する共働きの夫婦」と設定した場合、彼らが最も関心を持つ商品は、すぐに使える簡単で効率的な家電です。このペルソナに合わせて、簡単に使える料理家電や掃除機などのラインアップを強化することができます。

3. UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上

ペルソナ設定は、ECサイトのデザインや使い勝手をその顧客像に合わせて最適化することにも役立ちます。例えば、ペルソナが「忙しい若いビジネスマン」であれば、シンプルで直感的に操作できるデザインが求められます。ペルソナを意識したサイト設計を行うことで、サイトの訪問者の満足度を向上させ、コンバージョン率(購入率)を高めることにも繋がります。

▼UXに関する記事はこちら
快適なネットショッピングの実現に必要不可欠なUI/UX

ペルソナの設定方法

ペルソナの設定にはいくつかのステップがあります。以下でその方法を順を追って説明します。

1. ターゲット市場を特定する

ペルソナを設定するためには、まず自社のECサイトがどのような商品を提供しているのか、そしてそれがどの市場や顧客層に向いているのかを明確にする必要があります。

具体例
「ビタミンCサプリメント」を販売している場合、ターゲット市場は「健康を気にする人々」となります。このターゲット市場の中でさらに絞り込んでいきます。

2. データ収集

ペルソナを設定するには、顧客データを基に分析を行うことが重要です。過去の売上データや、ウェブサイトのアクセス解析ツール(Google Analyticsなど)を使って、どのような顧客が商品を購入しているのかを把握します。また、SNSでのフォロワー層や顧客アンケートも貴重な情報源です。

具体例
「ビタミンCサプリメント」の購入者が、実際に多かった年齢層や性別、地域、購入時間帯などを分析し、「30代後半の女性」「仕事が忙しく健康維持に気を使っている」という傾向がわかれば、その情報を基にペルソナを設定します。

3. ペルソナを具体的に描く

データを基に、ペルソナを詳細に描きます。ペルソナには以下のような情報を盛り込むとよりリアルな人物像が見えてきます。

・名前(架空でもOK)
・年齢
・性別
・職業
・家族構成(独身、既婚、子どもありなど)
・年収
・趣味・関心
・生活スタイル
・消費行動(価格重視、品質重視など)

具体例
例えば、ペルソナを「山田花子さん(32歳、女性、独身、マーケティング担当)」という人物に設定します。花子さんは日々忙しく働き、健康に気を使っているものの、手軽にできる方法を探しています。彼女は価格にも気を使いながら、品質の良いオーガニック食品を選びがちです。
このように、ペルソナを具体的に描くことで、ターゲット顧客のニーズや行動パターンをより深く理解できます。

4. ペルソナを基に施策を立てる

ペルソナが完成したら、それを基に具体的なマーケティング施策や商品開発を行います。ペルソナがどういう価値観を持っているのか、どのような問題を解決したいと思っているのかを踏まえて、アプローチ方法を決めます。

具体例
「山田花子さん」の場合、彼女が忙しい日常の中でも健康的な食生活を送りたいと考えているので、「簡単に栄養が摂れるオーガニック食品」のプロモーションを行います。また、SNSでの広告やレビューを強調し、手軽に試せる商品を提供することが効果的です。

ペルソナ設定の実践例

例1: オーガニック食品ショップの場合

ペルソナ: 田中美香さん(29歳、女性、独身、フリーランス)
職業: フリーランスのライター
興味: 健康、エコ、環境に配慮
消費行動: 価格と品質を重視、SNSで商品のレビューをよく確認する

施策例
・Instagramを活用したオーガニック商品のプロモーション
・短時間で簡単にできるレシピ動画の配信
・美香さんが購入しやすい価格帯の商品を中心に取り扱う

例2: スポーツ用品店の場合

ペルソナ: 高橋健太さん(38歳、男性、既婚、2児の父)
職業: サラリーマン
興味: 健康、運動、アウトドア
消費行動: 機能性を重視、家族のために健康維持のための商品を購入

施策例
・パフォーマンス向上を強調した商品の販売
・健康維持のためのサポートが得られるコンテンツ配信
・口コミやレビューを重視したSNSキャンペーン

ECサイトの売上向上を図るには、ペルソナの設定が重要な要素の1つとなります。ペルソナをしっかりと定義し、それに基づいたマーケティング戦略を展開することで、顧客のニーズに応えることに繋がり、より効果的なアプローチが実現できます。ペルソナの設定は一度だけでなく、定期的に見直し、顧客の変化に対応していくことが大切です。

マーケティング戦略や施策の立案など、ECサイトを立ち上げてからも取り組むべきことは沢山あります。専門的な知識がなく不安に感じていたり、運営業務に手が回らず施策を実行できていなかったり、様々な課題を抱えている企業様からご相談をいただいています。

Eストアーショップサーブは、専任のコンサルタントが必ずつくECカートシステムとして、これまで11万社のEC事業を支援してきました。ご契約企業様のジャンルも多岐にわたっており、課題やご状況にあわせたノウハウの提供や施策の提案を強みとしています。

これからECサイトを立ち上げようとご検討中の方、既にサイト運営をされていて移転を考えている方など、EC事業に関するお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。無料相談室にて対応させていただきます。

Search

カテゴリ

おすすめ記事

PAGE TOP
PAGE TOP