• EC基礎知識

倉庫管理の効率化が叶うWMSとは?

ECサイト運営におけるWMSのメリットとデメリットを解説

「売れ筋商品がいつの間にか在庫切れ…」「気づいたら在庫過多で倉庫が圧迫…」ECサイトを運営する中で、こんな経験はありませんか? 商品の管理や在庫の把握は、売上や利益に直結する重要な業務です。
特に商品の数が増え、注文処理が複雑になると、効率的に管理できるシステムが求められます。そこで注目されるのが、WMS(Warehouse Management System)という倉庫管理システムです。今回は、WMSのメリットとデメリットについて解説します。

WMSとは?

WMSとは、倉庫内での商品管理、出荷、在庫管理を効率的に行うためのソフトウェアシステムです。ECサイトの商品が倉庫に保管され、注文が入るとその商品をピッキング(取り出し)、梱包して出荷する一連のプロセスをサポートします。WMSを導入することで、倉庫内の業務が自動化され、ミスや作業の重複を減らすことができます。

WMSのメリット

では、実際にWMSを活用することでECサイト運営にどのような影響があるのでしょうか。まずは4つのメリットを解説します。

1. 在庫管理の精度向上

WMSを使用すると、在庫がリアルタイムで更新されるため、常に正確な在庫状況を把握できます。例えば、ある商品の在庫が「あと1個」と表示されていると、注文が入った際にすぐに確認できます。これにより、在庫切れのリスクが減り、過剰在庫も防げます。

具体例:例えば、A社のECサイトで「Tシャツ」の販売をしているとします。WMSを導入していない場合、倉庫スタッフが在庫を手動で確認するため、在庫切れや過剰発注を招く可能性があります。しかしWMSを導入することにより、商品の在庫数が即座に更新され、注文処理中に「Tシャツ」が足りない場合はすぐにアラートが表示されます。

2. 出荷作業の効率化

WMSは、出荷の際にも効率的に作業をサポートします。注文が入ると、どの商品をどの場所から取り出すかが自動的に指示されるため、ピッキング作業がスムーズになります。作業者は指示に従って商品を取り出し、梱包作業へと進みます。このプロセスの効率化により、出荷作業の時間が短縮され、同じ時間内により多くの注文を処理できます。

具体例:例えば、ECサイトで「A商品」と「B商品」の注文が入ったとき、WMSが倉庫内の保管されている棚位置を教えてくれます。スタッフはその指示に従って商品を取り出し、出荷するので、無駄な移動や検索時間が省けます。これにより、出荷作業がスピーディーに進み、納期の短縮にも繋がります。

3. 労働力の最適化

WMSは、作業者が効率的に動けるように設計されています。ピッキングルートや作業の順番を最適化するため、作業員の負担が軽減されます。これにより、作業者が無駄に倉庫内を歩き回ることなく、効率よく業務を進められるため、全体的な生産性が向上します。

具体例:あるスタッフが午前中にA商品のピッキングを行い、午後にはB商品のピッキングを担当する場合、WMSがその日の最適な移動ルートを示してくれるため、スタッフは効率よく作業を進めることができます。

4. 在庫のトレーサビリティ向上

WMSを使用すると、商品の流れを追跡できるため、どの商品がどこにあるかを簡単に確認できます。万が一、商品に不具合があった場合などには、トレーサビリティが高いことで問題解決が迅速に行えます。

具体例:ある商品に不具合が見つかった場合、WMSはその商品がどの倉庫から出荷されたのか、どの顧客に送られたのかを簡単に追跡できます。この情報を基に、不良品の回収や交換処理をスムーズに行うことができます。

※トレーサビリティ:商品の履歴や流れを追跡できる能力

WMSのデメリット

ECサイト運営の効率化に役立つWMSですが、導入にはコストや運用負担などの課題もあります。適切なシステムを選ばなければ、かえって業務が複雑化し、思わぬトラブルに繋がることも。WMS導入の前に知っておくべきデメリットや失敗を防ぐポイントについてご紹介します。

1. 導入コストがかかる

WMSを導入するには、ソフトウェアの購入やカスタマイズ、システムの導入・設定に費用がかかります。特に、小規模なECサイトの場合、初期投資が高く感じるかもしれません。また、システムの導入後も定期的なメンテナンスやアップデートが必要になる場合があります。

具体例:例えば、100万円以上の初期導入費用がかかる場合、規模の小さい企業にとっては大きな負担になることがあります。また、WMSの運用が軌道に乗るまでに時間がかかることもあるため、急成長を目指す企業は慎重に検討する必要があります。

2. システムの複雑さ

WMSは非常に高機能なシステムですが、その分、操作が複雑な場合があります。特に、システムの設定やカスタマイズが必要な場合、導入から運用までに時間がかかることがあります。適切に設定されていないと、逆に効率が悪くなることもあります。

具体例:あるECサイトでWMSを導入したものの、倉庫の配置や商品の管理方法がうまく設定されていない場合、システムが指示する通りに作業が進まず、かえって時間がかかってしまうことがあります。適切なトレーニングと設定が欠かせません。

3. システム障害やトラブルのリスク

どんなシステムにも障害が発生する可能性があります。WMSがトラブルを起こした場合、在庫管理や出荷作業がストップするリスクがあります。そのため、バックアップ体制やトラブル時の対応マニュアルを用意しておくことが重要です。

具体例:WMSのシステムが一時的にダウンしてしまった場合、倉庫作業が手作業に戻らざるを得なくなり、作業のスピードが大幅に低下します。こうしたリスクに備えた対策を講じておくことが求められます。

WMSはECサイトの運営において非常に強力なツールとなりますが、導入には一定のコストと準備が欠かせません。メリットとしては、在庫管理の精度向上や出荷作業の効率化、労働力の最適化などが挙げられます。一方で、システム導入のコストや複雑さ、トラブルのリスクも考慮しなければなりません。ECサイトの規模や運営体制に応じて、WMSを導入するかどうかを慎重に判断し、最適なシステムを選定することが重要です。

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