モール型、オープンソース型、ASP型、パッケージ型、フルスクラッチ型の特徴と費用を比較
ECサイトを立ち上げる際、費用は気になるポイントです。主に「初期費用」「月額(運用)費用」「保守・サポート費用」の3つの費用がかかりますが、どのようなサイトを作るか、また、自社で構築する場合と外部に依頼する場合によっても異なります。本記事では、ECサイト構築にかかる費用について、タイプ別に解説します。
ECサイト構築に必要な費用の基本
ECサイトを構築する際に必要な費用には、いくつかの種類があります。主に「初期費用」「月額(運用)費用」「保守・サポート費用」の3つの費用がかかります。それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。
初期費用
初期費用とは、ECサイトを開設する際に発生する一度だけかかる費用のことです。主な内容としては、サーバーやドメイン、SSL証明書、デザインやシステム開発の費用などがあります。特にオリジナルデザインやカスタマイズを行う場合、初期費用が高くなる傾向にあります。テンプレートを使用する場合は、この費用を抑えることが可能です。
運用費用
運用費用は、サイトを運営するために定期的に支払う費用です。主な内容としては、システムの月額利用料、決済手数料、マーケティング(広告など)、セキュリティ対策の費用などがあります。サイトの規模や運営内容によって異なりますが、最低でも数千円から数万円程度の費用が発生します。
保守・サポート費用
保守・サポート費用は、ECサイトの運営において不可欠であり、定期的なメンテナンスや更新作業のための費用です。特にカスタム開発の場合は、バグ修正や機能追加のために保守費用が発生することがあります。
タイプ別の費用とメリット・デメリット
ECサイトを立ち上げる方法にはさまざまな選択肢があります。ここでは、代表的なECサイトのタイプとその特徴について解説します。それぞれのタイプにメリット・デメリットがあるため、自社のビジネスに合った方法を選ぶことが重要です。
モール型
モール型ECサイトとは、既存のオンラインマーケットプレイスに出店する形態です。代表的な例としては、楽天市場やAmazonなどがあります。サイトを開設する手間はなく、集客力が高いため、比較的早く売上を上げることが可能です。
費用(目安)
- 初期費用:0〜10万円
- 運用費用:高い
メリット
- 集客力が高く、早い段階で売上を上げやすい
- サイトの運営が簡単で、専門的な知識がなくても始められる
- 決済や配送システムが整っているため、運営負担が少ない
デメリット
- 手数料が高い(販売手数料や月額費用)
- 競合が多く、差別化が難しい
- サイトのデザインや機能に制限がある
オープンソース型
オープンソース型は、無料で提供されているECシステムを利用して構築する方法です。プログラムを自分でカスタマイズできるため、柔軟性が高いですが、ある程度の技術力が求められます。
費用(目安)
- 初期費用:0〜10万円
- 運用費用:低い
メリット
- 自由なカスタマイズが可能
- 初期費用が安く済む(基本的には無料)
- 自社のビジネスに合わせた機能を追加しやすい
デメリット
- 開発や運営にある程度の技術力が必要
- 初期のセットアップや運用が手間がかかる
- 運用や保守のコストがかかる
ASP型
ASP(Application Service Provider)型は、サービスプロバイダーが提供するECサイト構築ツールを利用する方法です。サブスクリプション(月額利用料)で利用できます。
費用(目安)
- 初期費用:0〜10万円(テンプレート使用時)
- 運用費用:やや低い
メリット
- 比較的低コストで利用できる
- サイト構築が簡単で、専門的な知識がなくても始めやすい
- デザインや機能がある程度自由にカスタマイズできる
デメリット
- 高度なカスタマイズは難しい
- サイトの規模や機能が制限される場合がある
パッケージ型
パッケージ型は、ECサイトの構築・運用に必要な機能をパッケージ化して開発会社が販売しているシステムです。
費用(目安)
- 初期費用:100万円〜
- 運用費用:高い
メリット
- 一定の機能がそろっているため、開発が早い
- 柔軟なカスタマイズが可能な場合もある
デメリット
- 初期費用が高め
- サポートが限られていることもある
- 定期的な更新やメンテナンスが必要
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、ゼロから完全にオリジナルでECサイトを開発する方法です。完全なカスタマイズが可能ですが、最もコストがかかる方法です。
費用(目安)
- 初期費用:500万円〜
- 運用費用:高い
メリット
- 完全オリジナルのデザインや機能を実装できる
- 他社との違いを出すことができる
- 独自のシステムに対応可能
デメリット
- 初期費用が非常に高い
- 開発に時間がかかる
- 継続的な保守・サポートが必要

費用を抑える方法と注意点
ECサイトを構築する際、コストを抑える方法はいくつかありますが、同時に「費用をかけるべき部分」もしっかりと理解しておくことが大切です。
低コストでECサイトを構築する方法
低コストで実現するためには、まずはASP型やモール型を検討するのが良いでしょう。これらは初期費用が少なく、運営負担も軽減されます。また、テンプレートを使用することや、最小限の機能でスタートし、後から拡張することでも費用を抑えられます。
費用をかけるべきポイント
低コストで始められたとしても、セキュリティ対策ができていなかったり、上手く使いこなせなかったりしては台無しです。ユーザーに安心して使ってもらうためのセキュリティ対策や、ECサイト運営を円滑に進めるためのカスタマーサポートには費用をかけることをおすすめします。
ECサイト構築にはさまざまな方法があり、それぞれにかかる費用感や特徴があります。自社のビジネスに最適なタイプを選ぶことで、無理なく運営できるECサイトを実現することが可能です。また、コストを抑えつつ、必要な部分にはしっかりと投資することが成功のカギとなります。
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