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チャージバックとは?ECサイト運営者が知るべきリスクと防止策

チャージバックが発生した際の対応フローも解説

ECサイトを運営する上で、チャージバックは避けて通れない課題の1つです。チャージバックはクレジットカード決済に伴うリスクの1つであり、適切な対策を講じないと売上の減少や業務負担の増加に繋がる可能性があります。本記事では、チャージバックの基本的な仕組みやリスク、防止策、発生時の対応フローについて解説します。

チャージバックとは

チャージバックとは何かを正しく理解することで、リスクを軽減するための第一歩となります。まずはその基本的な仕組みや原因、特に狙われやすい商材について見ていきましょう。

基本的な仕組み

チャージバックとは、クレジットカード利用者が取引に異議を申し立てることで支払いが取り消される制度です。クレジットカード会社が決済の取り消しを行い、購入者に返金する仕組みになっています。ECサイト運営者にとっては、売上が失われるだけでなく、チャージバック手数料が発生することもあります。

クレジットカードの不正利用が原因のチャージバック

チャージバックの発生原因

チャージバックが発生する主な原因は以下の通りです。

  • クレジットカードの不正利用:盗難カードや情報漏えいによる第三者の不正利用
  • 顧客都合のキャンセル:注文後の気まぐれなキャンセル
  • フレンドリーフラウド(本人不正利用):購入者本人が意図的に「覚えがない」と主張するケース
  • 配送トラブルや返品ルールの不備:商品未着や不適切な返品対応

特にECサイトでは、配送トラブルや返品ルールの不備がチャージバックに繋がりやすいため、注意が必要です。

狙われやすい商材

一般社団法人日本クレジット協会は「クレジットカード・セキュリティガイドライン 【5.0 版】 」で、不正利用被害の発生状況から、以下の5つをリスクの高い商材として選定しています。
(参考:https://www.j-credit.or.jp/security/pdf/Creditcardsecurityguidelines_5.0_published.pdf

  • デジタル コンテンツ(オンラインゲームを含む)
  • 家電
  • 電子マネー
  • チケット
  • 宿泊予約サービス

これらは高額商品で現金化しやすいことから、転売目的で狙われやすいと考えられています。このような商材を取り扱う場合は、特に強固な対策が求められます。

チャージバックのリスク

チャージバックが発生すると、ECサイトの運営にさまざまな悪影響を及ぼします。売上の減少にとどまらず、決済代行会社との関係悪化や業務負担の増加など、深刻な問題に発展する可能性があります。

売上の減少と金銭的損失

チャージバックが発生すると、売上が取り消されるだけでなく、決済手数料やチャージバック手数料の負担が発生します。さらに、顧客から商品が返送されない場合は、商品代金分も損害になります。

決済代行会社との信頼低下とアカウント停止

チャージバック率が一定以上になると決済代行会社からの信用が低下し、最悪の場合、決済サービスの利用停止や手数料の引き上げといったリスクが生じます。

業務負担の増加とカスタマーサポートへの影響

チャージバック対応には、後述の決済代行会社やクレジットカード会社への証拠書類の提出や顧客対応が必要となります。これらの業務負担の増加により、他の顧客への対応が遅れるなど、通常業務に支障をきたす可能性があります。

チャージバックの防止策

チャージバックを完全に防ぐことは難しいですが、適切な対策を講じることで発生リスクを大幅に軽減できます。以下の方法を実践することで、安全なECサイト運営を目指しましょう。

クレジットカード決済のセキュリティ強化

不正利用を防ぐために、以下の対策を講じることが有効です。

  • 3DセキュアやCVV認証の導入
    3Dセキュア2.0は、過去の購入履歴や利用状況、デバイス情報などを基に、クレジットカード会社が不正利用の可能性が高いと判断した取引に対し、追加認証を行います。追加認証は、ワンタイムパスワードや生体認証など、より高度な認証方式に対応し、パスワードの盗難リスクを低減しています。

CVV認証は、カード裏面のセキュリティコードを入力させることで、盗難カード情報の悪用を抑制します。

▼3Dセキュアに関する記事はこちら
クレジットカード不正利用が過去最大に!3Dセキュア2.0の導入義務化?

  • 決済代行会社の不正検知システムを活用
    決済代行会社の不正検知システムは、AIや機械学習を活用して不正取引の兆候をリアルタイムで分析し、不審な決済を自動的にブロックする仕組みです。IPアドレスやデバイス情報、購入履歴などを基に異常なパターンを検出し、不正利用の疑いがある取引には追加認証を要求します。

明確な返品・キャンセルポリシーの設定

返品やキャンセルに関するルールを明確にし、顧客が納得しやすい条件を提示することで、不要なチャージバックの発生を防ぐことができます。

カスタマーサポートの強化とトラブル回避策

カスタマーサポートを強化することで、顧客が安心し納得して商品の購入ができます。これはトラブルの防止に繋がり、結果的にチャージバックのリスクを軽減できます。特に以下の対応が効果的です。

  • 注文後の確認メールの送信
  • 問い合わせ対応の充実
  • リアルタイムチャットやFAQの活用

▼カスタマーサポートに関する記事はこちら
カスタマーサポートの役割と売上に繋がる理由 

注文・取引の記録を適切に管理

後述の決済代行会社やクレジットカード会社への異議申し立てを行う際は、証拠書類が必要になります。そのため、購入履歴、配送情報、顧客とのやり取りを保存し、迅速に対応できるよう準備しておくことが重要です。

チャージバックが発生した際の対応フロー

万が一チャージバックが発生した場合、適切な対応を行うことで被害を最小限に抑えることができます。以下の対応フローを確認し、迅速な処理を心掛けましょう。

チャージバック通知の確認と対応期限の把握

決済代行会社からのチャージバック通知を確認し、異議申し立てが可能かどうかを判断します。期限内に対応しないと、自動的に取引が取り消されてしまうため、迅速な対応が求められます。

必要な証拠書類の準備と異議申し立ての手順

以下の証拠を収集し、決済代行会社やクレジットカード会社に提出します。

  • 取引履歴
  • 顧客とのメールやチャットのやり取り
  • 配送情報

明確な証拠があれば、チャージバックの取り消しが認められる可能性があります。

再発防止策の実施と長期的な対策

チャージバックの発生原因を分析し、不正利用対策や返品ポリシーの見直しを行うことで、長期的なリスク管理を強化しましょう。

チャージバックはECサイト運営者にとって大きなリスクとなりますが、対策を講じることでリスクを軽減することが可能です。また、万が一チャージバックが発生した場合でも、適切な対応を行うことで、被害を最小限に抑えることができます。今回ご紹介した対策や対応を参考に、チャージバックへの対応を改めて見直してみてください。

経済産業省は不正利用対策の一環として、原則、全てのEC加盟店に対して、2025年3月末までに3Dセキュア2.0の導入を求めると発表しています。
Eストアーショップサーブが提供している3Dセキュア2.0では、毎回パスワードを入力させるのではなく、過去の購入履歴や利用状況、デバイス情報などをもとに、クレジットカード会社が不正利用の可能性が高いと判断した取引のみ追加認証を行います。
3Dセキュア2.0を導入したことで、チャージバック被害を86%も減少させることができた企業様もいらっしゃいます。
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