受注生産とドロップシッピングのメリット・デメリット
ECサイトを運営するにあたり、商品をどのように調達し、販売するかは非常に重要な要素です。コストを抑えるためには、在庫管理や製造の手間を省ける方法を考える必要があります。そこで注目すべきビジネスモデルが「受注生産」と「ドロップシッピング」です。この2つの方法は、いずれも在庫を抱えずに商品を販売できるため、リスクを抑えた運営が可能ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。今回は、これらのビジネスモデルの特徴を解説します。
受注生産とは
受注生産は、顧客から注文が入ってから商品を製造する仕組みです。事前に大量に在庫を抱える必要はなく、受注があった段階で製造を開始するため、在庫管理の手間が省けます。特にオリジナル商品やカスタマイズ商品を販売する際に適した方法です。
メリット
1.オリジナリティの高い商品が提供できる
受注生産では、カスタマイズや特注品の製造が可能です。顧客が自分だけの商品を手に入れることができるため、競争力が増します。
具体例:自分の名前や好きなデザインをプリントしたオリジナルTシャツを販売する場合、受注生産が最適です。顧客が注文ごとにデザインを選べるため、ユニークな商品を提供できます。
2.在庫リスクを回避
商品が売れてから製造を行うため、在庫が余って無駄になるリスクを避けられます。需要に応じた生産ができるので、無駄な在庫を抱えることがありません。
3.価格設定の自由度
製造コストを自分でコントロールできるため、価格設定の自由度が高く、ブランド価値を高めることが可能です。また、オリジナル商品の場合は、他のECサイトと差別化しやすくなります。
デメリット
1.納期が長くなることがある
受注後に製造を行うため、発送までに時間がかかります。顧客が急いでいる場合、納期が遅れることがデメリットとなります。
具体例:オリジナルのTシャツを注文した顧客が、急ぎのイベントに間に合わせたかった場合、受注生産では発送が遅れる可能性があり、顧客満足度が低下するリスクがあります。
2.製造コストが高い
受注生産では、製造ロットが小さいため、単価が高くなることが多いです。そのため、商品の価格を高く設定しなければならず、価格競争に不利になることがあります。
3.需要の予測が難しい
受注生産では、事前に需要を予測するのが困難です。また、製造ロットが小さく単価が高くなる傾向があるため、販売量が少ないと1つあたりの製造コストが想定以上に高くなる可能性があります。
ドロップシッピングとは
ドロップシッピングは、商品の在庫を持たずに、商品が注文されると第三者の供給元(メーカーや卸業者)が直接商品を顧客に発送する仕組みです。ECサイト運営者は、商品の販売とマーケティングに集中でき、在庫や物流の管理が不要になります。
メリット
1.初期投資が少ない
商品の仕入れや在庫を持つ必要がないため、初期投資を抑えることができます。特に、資金に余裕がない場合でも、ECサイトを立ち上げやすいのが大きな魅力です。
2.在庫管理が不要
在庫を管理する手間が省けるため、在庫切れや過剰在庫のリスクを避けられます。商品が売れるたびに供給元から直送されるので、在庫数に関して頭を悩ませることがありません。
3.商品ラインナップが豊富
在庫を抱えることなく、多種類の商品を販売できます。これにより、需要に応じた商品の追加や切り替えが容易に行えます。
具体例:ファッション系のECサイトで、季節ごとのトレンドに合わせて新しいデザインの服を在庫余剰の心配なく取り入れられます。
デメリット
1.利益率が低い
ドロップシッピングは供給元に対して商品の仕入れ価格を支払うため、利益率が低くなる傾向があります。競合も多いため、価格競争に巻き込まれやすく、価格設定に工夫が求められます。
具体例:スマホケースの販売価格が500円で、仕入れ先が300円で商品を提供する場合、1件の販売ごとに得られる利益はわずか200円となります。これでは利益を上げるためには多くの販売数が必要です。
2.ブランドコントロールが難しい
商品が他の業者から供給されるため、商品や包装、配送のクオリティを完全にコントロールすることができません。これが原因で顧客満足度が低くなる可能性もあります。
3.競争が激しい
ドロップシッピングは参入障壁が低いため、多くの競合が存在します。そのため、他のECサイトと差別化するためには、独自のマーケティング戦略や優れた顧客サービスが欠かせません。
受注生産とドロップシッピングは、どちらも在庫を持たずに商品を販売できるビジネスモデルですが、それぞれに異なるメリットとデメリットがあります。初心者にとっては、資金を抑えて始めやすいドロップシッピングが魅力的に見えるかもしれませんが、利益率や競争の激しさには注意が必要です。一方、受注生産は、オリジナル性を重視する場合に最適ですが、納期や製造コストなどの管理が求められます。そのため、自社のビジネスに適しているビジネスモデルを選ぶことが、成功への第一歩となります。
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