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ファネル分析とは?種類と活用方法

ボトルネックを洗い出し、CVR改善に役立つファネル分析

ECサイトの運営において、サイト訪問者を購買へと導くプロセスを最適化することは非常に重要です。しかし、多くの訪問者が購入に至らずにサイトを離れてしまいます。この離脱の改善に役立つのが「ファネル分析」です。本記事では、ファネル分析の基本から具体的な活用方法までを解説します。

ファネル分析とは?

ファネル分析とは、顧客の行動を段階ごとに分け、どこで離脱しているのかを可視化する手法です。ECサイトでは、多くのサイト訪問者が最終的な購入に至らずに離脱します。ファネル分析を活用することで、訪問から購入完了までのプロセスを分析して、どの段階で離脱が発生しているのかを特定し、コンバージョン率を向上させるための施策を講じることができます。

ファネル分析3つの種類

ファネル分析には、目的に応じたさまざまな種類があります。ここでは、特にECサイト運営で活用される3つの主要なファネルを紹介します。

1. パーチェスファネル

パーチェスファネルは、顧客が購入に至るまでの流れを「認知」「興味」「検討」「購入」のステージに分けて分析する手法です。この手法を活用することで、どの段階で離脱が発生しているのかを明確にし、適切な対策を講じることができます。

例えば、認知段階では広告やSNSを活用して商品を知ってもらう施策が重要です。興味段階では、魅力的な商品説明やレビューを掲載し、顧客の関心を高める必要があります。検討段階では、価格比較やクーポンの提供によって購入の後押しを行い、購入段階では、決済の利便性を向上させることでコンバージョン率を高めることができます。

このように、パーチェスファネルを活用することで、各ステージでの課題を特定し、顧客をスムーズに購入まで誘導する施策を構築できます。

2. インフルエンスファネル

インフルエンスファネルは、購入者だけでなく、情報を拡散する人の影響も考慮する分析手法です。特に、SNSのシェアや口コミが購買行動に与える影響を可視化し、マーケティング戦略に反映させることが重要になります。

ECサイトにおいては、インフルエンサーや一般の顧客によるレビュー、SNSでのシェアが商品の認知拡大に大きく貢献します。例えば、InstagramやXで話題になった商品は、多くの人に認知され、購買意欲を刺激する可能性があります。

このファネルでは、「誰が情報を発信し、どのような影響を与えているのか」を分析し、効果的な口コミマーケティングを行うことが重要です。UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用したキャンペーンや、インフルエンサーと提携したプロモーション戦略などを取り入れることで、購入への流れを強化できます。

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3. ダブルファネル

ダブルファネルは、新規顧客獲得とリピーター育成の両方を重視するモデルです。一般的なファネル分析では、新規顧客の購買プロセスに焦点を当てることが多いですが、ダブルファネルでは、購入後のロイヤルティ向上までを含めた分析を行います。

ECサイトでは、一度購入した顧客をリピーターとして定着させることが、安定した売上に繋がります。そのため、ダブルファネルでは、購入後のフォローアップや会員プログラム、サブスクリプションモデルの活用など、顧客のロイヤルティを高める施策を重点的に行います。

例えば、購入後のフォローアップメールを送ることで、顧客満足度を向上させたり、定期購入プランを提供して継続的な購入を促したりすることができます。さらに、ポイント制度や限定特典を用意することで、リピーターを増やし、LTV(顧客生涯価値)を高めることが可能です。

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ECサイトにおけるファネルの構造と具体例

ファネルの仕組みを理解することで、より効果的な施策を打ち出せます。ここでは、ECサイトにおけるファネルの構造と顧客行動の具体例、段階ごとに重要となるポイントを紹介します。

  • 認知段階
    検索エンジンやSNS、広告を通じて顧客が誘導される。広告やSEOによる集客が重要となる。
  • 興味・関心段階
    顧客は商品ページの閲覧やレビュー確認をする。魅力的な商品情報の提供が重要となる。
  • 検討段階
    カートへの追加やクーポンを利用する。比較検討をサポートする施策が重要となる。
  • 購入段階
    決済が完了する。スムーズな決済プロセスが重要となる。
  • リピート段階
    メールマーケティングやポイントプログラムにより、再購入や定期購入へ誘導される。継続的な関係構築が重要となる。

ファネル分析に役立つツール

ファネル分析を実際の改善に活かすには、適切なツールを活用することが重要です。

Googleアナリティクス

Googleアナリティクスを使用すると、各ファネルステージのコンバージョン率を詳細に分析できます。特に「目標設定機能」を活用することで、どの段階で顧客が離脱しているのかを可視化し、具体的な改善策を導き出すことが可能です。

ヒートマップツール

ヒートマップツールを利用すると、顧客がページ内でどのエリアに注目し、どこで離脱しているのかが一目で分かります。クリック数やスクロールの深さを分析することで、より顧客にとって魅力的なページ構成を作るための指針となります。

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ファネル分析を行う際の注意点と成功のポイント

ファネル分析を正しく活用するためには、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。

KPI設定の重要性

適切な指標を設定しないと、データを収集しても改善に繋がりません。購入率やカート放棄率など、ECサイトの目的に合ったKPIを明確にすることが重要です。

データの定期的な見直しと改善の継続

市場の変化や顧客行動の変動に対応するため、ファネル分析の結果を定期的に確認し、施策の見直しを行うことが求められます。PDCAサイクルを回しながら、効果的な改善を継続しましょう。

部分的なデータではなく全体の流れの把握

特定の指標だけに注目すると、全体の流れを見誤る可能性があります。各ステージの関係性を意識し、顧客がスムーズに次の段階へ進めるような施策を総合的に行うことが重要です。

ファネル分析は、ECサイトのコンバージョン率(CVR)向上に欠かせない手法です。顧客の行動を可視化し、どこで離脱が発生しているのかを明確にすることで、効果的な改善施策を講じることができます。Googleアナリティクスやヒートマップツールを活用しながら、KPIを適切に設定し、継続的な改善を行いましょう。

これまで見てきたように、CVR改善にも効果的なファネル分析ですが、人手不足により片手間で対応せざるを得ないEC担当者様も多くいる中、マーケティングまで手が回らず不安に感じている方も少なくないのではないでしょうか。Eストアーショップサーブの専任担当は、マーケティング戦略や運営業務など、対応しきれていない部分のサポートをすることもできます。まずはEC事業に関するお困りごとやお悩みをお気軽にご相談ください。

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