衛生メーカーとしての「信頼」と「安心」の追求

eコマース部 植松久美子様 古屋辰太朗様
日本製紙の子会社として、家庭紙・衛生紙・業務用紙製品・ワイパー品・大人用紙おむつなどを製造・販売している日本製紙クレシア株式会社。元々はアメリカの(現在の)キンバリークラーク社と(現在の)日本製紙との合弁でスタートし、日本国内で初めてティシューペーパー・トイレットペーパーを発売したパイオニアメーカーです。主にクリネックスブランド・スコッティブランドを展開し、昨年2024年はいずれも発売60周年を迎えました。


今回は、メーカー直販ECとしてのお取り組みについて、マーケティング総合企画本部 eコマース部の古屋辰太朗様と植松久美子様にお話を伺いました。
いつの時代でも、時代が変わっても、毎日衛生を届けていく
日本製紙クレシアについて
古屋様:私たち日本製紙クレシア株式会社は、トイレットペーパーやティシュー、ペーパータオルなど、暮らしに寄り添う紙製品を多数手がけています。製品は高品質でありながら、日常生活の中で自然に使いたくなるようなやさしさと機能性が特徴です。
製品加工テスト・品質テストは何度も何度も繰り返し行い、商品を世に出しています。本社には品質管理部門、また各工場にも品質環境管理室を置き、本社・工場と連携を密にしながら、安全性と品質の維持を図っています。

メーカー直販だからこその信頼と安心を届けたい
ECサイトの在り方
古屋様:自社直販のECサイトを展開するにあたって、私たちが大切にしているのは「信頼感」と「安心感」です。ブランドそのものが持つ信頼を、ECサイト上でもしっかり表現したくて、デザインや文言、写真1枚に至るまで細やかに気を配っています。お客様がページを見て「この商品なら安心して使えそう」と感じていただけるように工夫しています。
使用シーンが伝わる商品ページのこだわり
細かな仕様も明確にする写真
古屋様:例えば、長持ち製品として展開している3倍巻きのトイレットペーパーは、通常サイズのものと並べた写真を掲載し、サイズ感の違いやコンパクトさを視覚的に伝えています。そもそも3倍巻きをご存じないお客様もいらっしゃるので、「大きさも3倍になっているの?」という疑問を解消できるように、仕様が分かるようなページ作りを心がけています。
また、洗って使えるペーパータオルは、「キッチンペーパーって洗って使えるの?」と思っていらっしゃる方も多いので、イメージできるような写真を載せるようにしています。コンロの油取りなどの掃除用としてだけでなく、野菜を包んで保管したり、魚の臭み取りとして使ったり、自転車のチェーンのふき取りなどにもご使用いただけたりするんです。それが伝わるように、使用シーンが想像できるような写真を用意しています。
他にも、通常のティシューは紙が2枚重ねになっていますが、当社の高級品ラインだと3枚や4枚になっているものもあるので、あえてめくって何枚構造になっているのかが分かるようにしています。
これらの1つひとつが安心してご購入いただける要素だと感じています。


ニーズに応えた情報発信が欠かせない
お客様からの様々な問い合わせ
古屋様:商品に関する問い合わせは専用窓口があるため、私たちが直接対応することはほとんどありませんが、「(古紙や再生紙を一切使っていない)パルプ100%のティシューペーパーを買いたいのですが…」「無香料のトイレットペーパーはどれですか?」など、ECサイトで商品を探されているお客様からお問い合わせをいただくことがあります。
過去には、美術館で刀を展示されている施設の方から、「刀を拭くのに適しているものはどれですか?」といったご相談を受けたこともありました。ローションなどの保湿成分が入っていると錆びてしまうことがあるので、ローションを含まないティシューを求められていることもあって…。その際には、適した製品をきちんとご案内しています。
ティシューにも様々な用途があり、食べこぼしや机を拭く時はローション入りですと吸収してくれないので、当社の商品であればカシミヤティシューがおすすめ。鼻をかむ時であればローション入りが良いですよ、といったニーズに応えた情報をもっとお届けしていかないといけないなぁと思っています。
拡大しているギフト需要
便利で喜ばれるギフトカード
古屋様:もともと社員向けの福利厚生として始まったギフト販売ですが、今では購入者の約4割がギフト用途です。トイレットペーパーとティシューの詰め合わせセットは、誰にでも喜ばれる実用品として好評をいただいています。
植松様:最近ではコンパクトなギフトカードも用意しました。ゴルフコンペや法人向けの贈答など、直接渡しやすいアイテムとしてご利用いただいています。
用途に合わせて数種類から選べるところが良さでもあり、ギフトカードの申込有効期限は1年半~2年先なので直ぐに注文しなくても、必要になった時に使っていただける便利さがあると感じています。

まだまだ改善できるECサイトの課題
お客様の声を改善に活かす
古屋様:ギフト需要が高まる中、白ではなくあえて茶色の段ボールを使用しています。「ギフトらしくない」というお声をいただくこともありますが、やはり衛生用品ですので、倉庫での保管中や配送中の汚れを最小限にするための対応を取っています。
パッケージもデリケートなものが多いため、配送途中に傷がつかないように、梱包はかなり慎重に行っています。
他の商品からの香り移りを気にされているお客様に対しては、保管時に香り付きのものと無香料のものを離して保管することや、段ボールをラップ巻きして発送することで香り移りを防ぐ対応をすることもあります。
実際、「前回購入した際、香りが気にならなかった」とのことで、2回目の購入をしてくださったお客様もいらっしゃいました。
その他にも、「ご挨拶の熨斗はありますか?」というニーズにお応えしたり、送り状をはがしても跡が残らないように台紙を貼って対応したり…日々お客様からいただく声によって気付くこともあるため、参考にしながら改善に努めています。買ってくださる年齢層としては、40~60代が比較的多く、レビューも40~60代の方からいただくことが多いです。
植松様:中には80、90歳の方もいらっしゃいます。
古屋様:なので、フォントサイズが小さくならないように、ボタンも押しやすいように、という使いやすさ・見やすさを考えたECサイトにすることを意識しています。
ECサイトとお客様をつなぐ問い合わせ対応
顧客満足度の向上がカギ
植松様:ECサイトでご購入いただいたお客様へ素早く的確にお届けできるようにすることが私の役目でもありますが、実際に商品を買っていただけるとやはり嬉しいですね。
お問い合わせへの回答に、さらにお返事をいただけるのもお客様とのつながりを感じます。
お客様のご要望にお応えするのは当然であり、+αの情報をお伝えしたいと常に思っています。「またここで買いたい」「問い合わせて良かった」と思っていただくことが重要だと考えています。

今後の展望と想い
古屋様:現在はケース単位での販売が中心ですが、今後は一般家庭向けに、もっと少量で手軽に購入できる商品展開も検討していきたいと考えています。例えば、1ケースあたり20個入りや30個入りの商品を、5個入りや10個入りで販売できるような形にするなど、模索中です。
そういった意味でも、もっと多くの方に通常品をご購入いただけるようにしたいです。現在はギフトが4割ですが、通常品を8割にできるくらいの比率を目指したいと思っています。
また、ECサイト自体をカタログのように使っていただける存在に育てていきたいと考えています。リアル店舗で購入されるお客様が「まずは公式サイトで確認しよう」と思っていただけるような情報提供を目指しています。
植松様:今まで以上にファンを増やしていきたいですね。信頼を得るために、これからも誠実な対応を心掛けていきたいと思っております。
