世界中の人々に幸せを届けるグローバルビジョン

2007年、独自の視点でハイブランド品販売事業をスタートした株式会社よちか。数あるハイブランドの中からエルメスに特化し、商品知識の深さと高価買取を強みに、京都・東京に実店舗を展開。創業当初からECサイトを立ち上げ、実店舗とECを両輪とする独自のビジネスモデルを確立しています。
今回は「ブランドを通じて世界中の人々をHAPPYに!」という理念のもと、高級ブランド市場でのEC成功事例について、代表取締役 余 東達様にお話を伺いました。
エルメスに特化する理由とは
エルメスの知識やノウハウを強みとする「よちか」
会社概要について
余様:よちかはブランド品を販売している会社になります。主にスーパーブランド、ハイブランドを扱っています。エルメスというブランドに特化していて、売上のほぼ90%近くがエルメス関連です。
以前は海外、特にヨーロッパへの直接買い付けも行っていましたが、最近は国内で十分仕入れができるようになってきたので、一般のお客様からの買い取りが中心です。それをECサイトと実店舗で販売しています。

創業当初エルメスの商品が比較的多く購入できた
エルメスに特化した理由
余様:創業当初はルイヴィトンやシャネルなど、様々なブランドを扱っていましたが、ハイブランドのブームが到来し仕入れるのが困難になってきました。
しかし、当時バーキンやケリーのような最高級バッグは別として、エルメスはそれほどブームではありませんでした。ガーデンパーティーやピコタンといった比較的入手しやすいバッグや財布などは安定して仕入れることができたんです。それを日本で売ると直ぐに売れたので当然エルメスの取扱いが増えていき、ノウハウが蓄積されていったことで、徐々にエルメスに特化していきました。

日本国内だけでなく世界の人々が幸せになってほしい
ブランドは世界共通の価値
企業理念について
余様:「ブランドを通じて世界中の人々をHAPPYに!」というのが当社の理念です。ブランド品は、日本で10万円で売っている商品は海外でも大体同じくらいの価格で売られていて、世界共通の価値を持っています。そのため、当社は昔から海外のお客様からも注文があるんです。
そういった背景から、日本国内だけでなく世界の人々が幸せになるようにという思いを込めています。
商品知識の豊富さがお客様に安心感を与える
事業運営で大切なこと
余様:やはり商品知識を身につけることですね。「この商品はこういう特徴がある」と説明できることが大切です。それがお客様の安心感に繋がり、次の購入にも結びつきます。
また、買い取りでも商品知識は重要です。当社の店に良い商品が入ってくるのは、高い価格で買い取る覚悟があるからです。商品知識がないと適正価格で買い取れません。安く買うことは簡単ですが、それでは次に繋がりませんし、お客様も紹介してくれなくなります。

高価買取が生み出す、リピーターが増える好循環
高額買取のビジネス効果
余様:高く買い取ることで良質な商品が集まり、それが店舗の魅力になります。特にエルメスの新作は入手が難しいですが、高い価格で買い取ることで「よちかさんなら新作もある」という評判に繋がっています。そうすると新しい商品を持ってくる人が増え、入荷スピードも早くなるという好循環が生まれるんです。
販売も買い取りもリピーターが多く、特に買い取りは常連さんがほとんどですね。

「レアですよ」ではなく「なぜレアなのか」を伝える接客
押し売りでは顧客と長期的な関係が築けない
接客のポイント
余様:あまり押し売りしないことですね。ハイブランド品は、お客様がじっくり考えて購入するものです。無理に勧めるのではなく、商品知識をしっかり提供し、お客様が納得して購入できる環境を作ることを大切にしています。
なぜレアなのか、ブランドの歴史なども含めて説明するようにしています。
”絶対に売れる”という確信
インターネットを繋いだ瞬間、世界中の人に商品を見てもらえる
ECサイト開設の理由
余様:事業を始めた当初は買い付けと卸売りが中心でしたが、さらなる飛躍の為にも自分の店舗を持ちたいと考えるようになりました。同年代の人たちが店舗で頑張っている姿も刺激になりましたね。そして、同時期にインターネットの可能性に気づいたことも大きかったんです。
実は京都の山科で親が経営していた洋服屋を手伝っていた時期があるのですが、店頭では全く商品が売れない状況でした。ところが、同じ商品をネットオークションに出すとすぐに買い手がついたんです。例えば、グッチのネクタイを店に置いても全く売れなかったのに、ネットオークションで1万円、1万2千円くらいで3本ほど売れたことがありました。
店頭は場所が限られますが、インターネットは繋いだ瞬間、世界中の人に商品を見てもらえる。その可能性に衝撃を受けたことがきっかけです。
その後、会社設立と同時に、実店舗とECを始めました。ECは創業から18年間運営しています。
ネットオークション体験から得た確信
高級品ECの可能性
余様:ネットオークションで商品が売れた実体験があったので、高級品をECで販売しても絶対に売れると確信していました。当時、仲の良かった業者さんもオンラインで多く販売していたので、規模は小さくてもオンラインでの販売には大きな可能性があると思っていました。

ECサイト運営では安心を提供することが重要
基本的なことにも気を配り、不信感を与えないようにする
EC運営で大事にしていること
余様:写真を丁寧に撮ることと、商品説明文にこだわっています。商品説明文では、誤字脱字のような基本的なことにも気を配っています。ホームページに不信感を持たれないようにすることが大切ですね。
さらに、商品説明をしっかりすることと、お問い合わせへの対応も重要だと感じています。特にレスポンスの速さは意識しています。お客様が質問してから時間が経ってしまうと、商品を買いたい気持ちも薄れてしまいますし「大丈夫かな」と不安になるので、なるべく早く回答するようにしています。
世界に向けて販売できる仕組みがあればビジネスはまだまだ広がる
SNSとECの連携を強化
今後注力する取り組み
余様:SNSでの販売に力を入れていきたいですね。ECサイトはある程度軌道に乗っていますが、その中でSNSが普及してきているので、SNSとECを連携させる取り組みを進めています。
例えば、ECサイトで会員登録する際に、LINEのIDやInstagramのアカウントも入力できるようにすれば、フォロワーが自然に増えていくと思っています。実際、SNSからの反応は大きいです。
海外からの注文を受けるシステム整備の実現
海外展開への展望
余様:海外に売っていきたいという思いは10年以上前からあるんです。海外からの注文もあるので、システム整備をしっかりすればもっと注文が増えると思うのですが、なかなか実現できていません。日本の人口は減っていきますが、世界の人口はまだまだ増えています。単純計算で考えても、世界中の人に販売できる仕組みがあればビジネスはまだまだ広がります。
お客様との信頼関係を大切に、これからも「ブランドを通じて世界中の人々をHAPPYに!」という理念のもと、事業を発展させていきたいと思います。
