関連商品の提案からアップセル・クロスセルに繋げる施策
コンビニやスーパーでお会計を待っている間にレジ前の商品を自然と手に取ってしまう「ついで買い」。
お会計待ちしている人の目に留まる位置に商品を置いて「ついで買い」を促す戦略がそこにはあります。購入直前であることから、購買意欲が高まっていて手に取ってもらいやすい顧客心理を利用しています。
今回は、ネットショップでも実現可能な関連商品の提案による「ついで買い」によって客単価アップを狙うEストアーショップサーブの施策事例をご紹介し、売上向上とビジネス拡大における重要な戦略について、データに基づいた効果的な実施方法を詳しく解説していきます。
購入手前で他商品を訴求してクロスセル
「ついで買い」をネットショップに置き換えてみると、関連商品としての提案が例として挙げられます。
商品ページやカート画面の下部に「他にもこんな商品があります」「ご一緒にいかがですか」「関連商品」などを表示することで、他の商品も一緒に訴求する機会を作ります。お客様がお会計待ちの間にレジ前の商品を見ているような状況です。

購入直前のお財布の紐がゆるんでいる状態でおすすめ商品を紹介されると、「せっかくなら…」という気持ちになることもありますよね。おすすめ商品の中に買おうか悩んでいた商品があった場合は追加購入の後押しとなりますし、ユーザーが探しきれていなかった商品であれば新発見という形で購買意欲をかきたてる効果があるかもしれません。このように、関連商品から「ついで買い」を促すことで客単価アップを狙います。
クロスセル戦略の基本原理
クロスセルとは、既に購入を決めたユーザーに対して、異なる商品やサービスを追加で販売する手法です。この戦略が成功する理由は、ユーザーの購買意欲が最も高い瞬間を効果的に活用するからです。市場調査によると、購入直前のユーザーは通常時と比べて3倍も追加購入する可能性が高いとされています。
効果的な関連商品の選定基準
関連商品を選定する際には、いくつかの重要な指標を把握することが大切です。まず、商品の相性や補完性を分析し、ユーザーにとって付加価値の高い組み合わせを見つけることが必要です。データを活用して過去の購入履歴を分析し、同時購入される確率の高い商品を特定することで、より効率的な提案が可能になります。
購買タイミングを活用した訴求方法
ユーザーの購買行動を分析すると、商品をカートに入れてから決済完了までの期間が最も関連商品に対する関心が高いこと多く、この期間を集客のチャンスと捉え、適切なタイミングで関連商品を提示することで、平均的な売上を大きく伸ばすことができます。
松竹梅の法則でアップセル
関連商品として、別商品だけでなく価格違いの類似商品を提案する方法もあります。
より質の良いもの、機能が充実したもの、内容量が異なるものなど、商品価格を松竹梅で分けた関連商品を提案することによって、高単価商品をユーザーに選んでもらう確率を高める戦略です。特に専門店であれば、専門品好きでこだわりの強いユーザーが多い傾向にあるため、カートに入れた商品より高単価だったとしても検討の余地があります。
選択肢が3つある場合、真ん中が選ばれやすい「松竹梅の法則」を上手に活用してみてください。

松竹梅の法則は消費者心理に基づいた強力な販売手法です。最も高額な商品(松)は品質の高さを印象づけ、最も安い商品(梅)は選択肢の幅を示します。そして中間価格の商品(竹)が最もバランスが良く見え、結果的に選ばれやすくなります。この法則を活用することで、単価を効果的に向上させることができます。
アップセルを成功させるためには、ユーザーのニーズを正確に把握し、それに応える高付加価値商品を提案することが重要です。単に高額な商品を勧めるのではなく、ユーザーにとって本当に価値のある改善や機能向上を提供できる商品を選定することが、長期的なユーザー満足と売上向上につながります。
低価格商品では機能性や品質の向上を、中価格商品ではブランド価値や特別感を、高価格商品では独占性や希少性を強調することで、それぞれの価格帯で効果的なアップセルを実現できます。
お得に感じるサービスでついで買いを促進
「今一緒に買ったらお得!」とユーザーに思ってもらうことも「ついで買い」を促進させる効果があります。2点買うと1点あたりの単価が下がったり、○○円以上のお買い上げで送料が無料になったり、まとめ買いをするとお得になるサービスによって「ついで買い」に繋げます。

「あと○○円で送料無料」と表示されると、ついつい商品を探してしまうなんてこともあるのではないでしょうか。
送料無料ラインの戦略的設定
送料無料ラインの金額設定は、客単価向上において極めて重要な要素です。適切な金額を設定することで、ユーザーの追加購入を促し、結果として売上を増やすことができます。データ分析により、現在の平均客単価よりもやや高めに設定することで、効率よく単価アップを図ることが可能です。
セール・キャンペーンとの組み合わせ効果
定期的なセールやキャンペーンと関連商品提案を組み合わせることで、より強力な販売効果を生み出すことができます。期間限定の割引や特別なセット価格を提示することで、ユーザーの購買意欲を高めることができます。ただし、コストと利益のバランスを計算し、持続可能な価格設定を行うことが重要です。
リピーター獲得のための施策
一度の取り組みで終わらせずに、リピーターを増やす施策も同時に実施することが大切です。初回購入時に満足度の高い体験を提供し、次回購入時にも魅力的な関連商品やサービスを提供することで、長期的なユーザー関係を構築できます。リピーターは新規ユーザーよりも1回あたりの購入金額が高くなる傾向があるため、継続的な関係性の構築は売上向上において極めて重要です。
データ分析による最適化戦略
ネットショップの成果を最大化するためには、勘や経験だけに頼るのではなく、データに基づいた戦略的なアプローチが欠かせません。蓄積された顧客データやテスト結果を活用し、ユーザー行動に最適化された施策を展開することで、売上やコンバージョン率の向上が期待できます。
購買データの活用方法
ネットショップでは膨大な購買データが蓄積されており、これらの情報を効果的に活用することで、より精度の高い関連商品提案が可能になります。顧客の購買履歴、閲覧履歴、検索キーワードなどのデータを総合的に分析し、個々の顧客に最適化された商品提案を行うことで、コンバージョン率を大きく改善できます。
A/Bテストによる効果測定
関連商品の表示位置、デザイン、商品選定などについて、定期的にA/Bテストを実施することが重要です。異なるパターンを比較検証することで、最も効果的な手法を特定し、継続的な改善を図ることができます。テスト結果に基づいて施策を調整することで、売上向上の効果を最大化できます。
業界別・商品別の戦略アプローチ
効果的な関連商品提案を行うには、業界や商品ジャンルごとの特性を踏まえた戦略も求められます。ユーザーのニーズや購買行動はジャンルによって異なるため、それぞれに最適化されたアプローチを採用することで、提案の精度と売上の両方を高めることが可能です。
ファッション業界での応用事例
ファッション業界では、コーディネート提案やスタイリング提案が効果的です。トップスを購入するユーザーにボトムスやアクセサリーを提案したり、季節に応じたセット商品を紹介することで、ラインナップ全体からの売上を増加させることができます。ユーザーのライフスタイルや好みに合わせた提案を行うことで、より高い成約率を実現できます。
食品・健康食品での展開方法
食品業界では、栄養バランスや食べ合わせの観点から関連商品を提案することが効果的です。健康志向の高いユーザーには、機能性食品や栄養補助食品との組み合わせを提案し、グルメ志向のユーザーには味わいや品質を重視した高付加価値商品を紹介することで、客単価の向上を図ることができます。
まとめ
ここまで関連商品の提案方法を紹介してきましたが、複数あっても困らないものや一緒に使うことで商品の価値が高まるもの、生活がより豊かになるものなど、設定する関連商品の選定も重要になってきます。
Eストアーショップサーブでは、店舗さん側の売りたい商品を汲み取りながら、ユーザーにとってメリットがある関連商品や、これまで同時購入された商品の組み合わせを分析したうえで最適な商品設定を提案させていただきます。
今回のように、関連商品設定やアップセル・クロスセルに繋がる機能紹介から活用方法、ネットショップに関するコンサルティングまで幅広くサポートするのが私たちEストアーショップサーブです。ECカートシステムの提供だけにとどまらず、運用面も含めた総合的な支援によって、リピート顧客の増加と業務の効率化を図ります。
カートシステムをご検討中の方やネットショップの運営に不安を抱えている方など、EC事業に関する多くのお悩みにお応えします。売上向上、客単価アップ、効率的な集客方法など、ビジネス成長に直結する重要な課題について、専門的な知見と豊富な実績をもとに最適なソリューションをご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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