集客効果の追求ではなく、顧客リスト集めと活用が本店ECのKPI
モール(プラットフォーム)
と本店の決定的な違い
モールは卸売にほど近いという点にお気づきですか?出店とも言えるものの、リアルになぞらえると、同業店舗は数十〜数百はいっている巨大な商業施設です。しかも物理的な歩行距離とお店の外装や導線がなく、カテゴリーや検索でずらーっと競合が並びます。こうなってくると差別化は基本的には価格や特典となってきます。
しかしこれは顕在化している違いでしかありません。
顧客リストは誰のもの?
モールと本店の違い。決定打が何かというと、顧客リストの所有権です。云うまでもなく本店に来訪した顧客のリストは自社のものですが、モールは広告宣伝費を自社で負担したり、価格競争をしながらも、リストの持ち主は「館」です。これはやかたが膨大な広告宣伝や認知をおこなっているから当然といえば当然です。
顧客リストを増やす事が
本店EC最大のKPI
そんな事当然!と言われそうですが、この本質に気づいた時から、自社本店ECの最大のポイントは顧客リストを増やし、それを活用する事であるという理解が進みます。よく「顧客獲得の費用は、購入してもらう費用の15倍」と言われていますが、広告宣伝費の高騰により実際はもっと差が大きくなっていると言えます。このように、顧客リストが自社の財産であり、それを活用する(活用できる)事が自社本店ECの圧倒的な強みであるという認識がいちばん大切です。
こうして「集めた」顧客リストはいわずもがな蓄積財産であり、リストあつめに掛けたコストは100%自社のためだけの状態になっています(モールだと自社の顧客集め費用が他社にも活用されている)。
リストに息吹を注ぐCRM
さて、こうして集めた「自社の財産」である顧客リスト。それを縦横無尽に活かせるのがCRMと呼ばれている「カスタマーマーケティング」です。メルマガひとつとっても、自社の顧客に直接働きかける事ができ、おすすめ(レコメンド)をするにも、いつ、なにを買った顧客か把握できている為、アップセル、クロスセル、セールも、顧客ごとに適切な案内ができるため「売れ行きが変わってきます」。つまりCRMとは、顧客ごとに適切な案内を行う事で、マーチャント(お店)にもカスタマー(お客)にも、ストレスなく最適な関係値(リレーションシップ)が構築されてゆきます。
ワントゥーワンが出来る
具体的には、たんなるメルマガではなくポイント残高のお知らせを含めたフォローメールや、カゴにはいったけど買われなかった興味商品をページに表示するなど、ひとりひとりのカスタマーに適した対応をする(できる)のがCRMです。
モール比較に戻りますが、老弱男女にかかわらず1,000万人に送信されるメルマガがモール。顧客ごと適切な内容で1万人に送信されるメルマガが自社。前者が1000店舗で後者は自社1店舗だけです。つまり比率おなじで効果がまるで異なるのが「CRM」を伴った顧客接点で、これを行えるのがCRM施策です。人口減少(消費者減少)のなか、CRMの重要性が理解できることと思います。
CRM施策の実際と効果がわかる「具体的事例」をまとめました。弊社で23年間にわたり数千社で運用してきた実際のデータから、そのポイントや、効果期待できる前提などを、代表的な施策ごとにご案内しています。
序章 カスタマーマーケティングの概要
本章 カスタマーマーケティングの実践