店舗さんと顧客、顧客同士の相互コミュニケーションでファン化を促進する
ECサイトや店舗さんの運営において、ただ商品を販売するだけではビジネスの成長や売上を伸ばすのは難しくなっています。顧客を「ファン」にすることが安定的な売り上げの基盤をつくるだけでなく、ブランドへの愛着が深まることで店舗さんと顧客、さらには顧客同士のコミュニティ形成にも繋がります。
本記事では、顧客のファン化を加速させる有効的な方法を2つの事例からご紹介します。
クローズドの情報発信による深まる「商品愛」と「ファン化」
ターゲットの顧客層がZ世代中心の店舗さんでは、Z世代に合わせてオンラインのチャネルを活用してブランドや商品情報を発信しています。顧客との接点を作るためにも、XやInstagramといったSNSだけではなくTikTokやYouTubeなどの動画を中心としたプラットフォームで積極的にブランドや商品情報を発信しています。
その中でもLINEのオープンチャット機能を活用したクローズドなコミュニティ運営が、Z世代との深い関係構築に大きな成果を上げています。クローズドなコミュニティとは、限られたメンバーだけが参加できる空間で形成されるコミュニティを指します。公開されているオープンなSNSとは異なり、一定の条件や特定の招待枠によってメンバーが限定されるため、店舗さんと顧客は信頼関係や特別感を感じられる環境を、顧客同士はより深いコミュニケーションがとれる場所を提供できます。
このコミュニティには約800名が参加し、様々なやりとりを繰り広げています。
また、LINEのオープンチャット機能を活用し、以下のような施策を行った結果、ファン化をさらに促進する効果がありました。
新商品の情報をいち早く提供
一般公開よりも早く新商品の情報を提供することで、コミュニティに参加しているファンだけが新商品の詳細をいち早く知ることができる仕組みを構築しました。これにより、メンバーに特別感を与えるだけではなく、「自分だけが知っている」という優越感を抱かせることに成功しました。
さらに、新商品の情報にとどまらず、一般には公開されない裏話や限定コンテンツ、特典情報などを提供することで、コミュニティ全体により一層の特別感を演出しました。このような特典や一般公開されていない情報は、単なる情報の共有以上の価値を生み出し、ファンに「自分はブランドにとって特別な存在である」という満足感を提供しました。
ファンの意見や要望を直接収集
LINEのオープンチャットの誰でもコメントできる機能を活用し、コミュニティにいるファンから商品や企画のリクエストを収集できる仕組みを構築しました。リクエストできるだけではなく、質問した内容に対してブランド担当者が直接返信するという、店舗さんと顧客のコミュニケーションを活性化させ、より強い繋がりをコミュニティ内で作り出すことができました。
実際に、「廃盤になった商品を期間限定で販売してほしい!」という多くの声から、「復刻祭」という形で廃番になった商品の限定販売を実現させました。ファンの声がきちんと店舗さん側に届き、意見や要望が反映されることで信頼感が生まれ、顧客満足度の向上にもなりました。
ファン同士の交流を促進
商品や企画に関するリクエストを収集できる仕組みを整えるとともに、ファン同士がその場で自由に意見交換や交流を楽しめる空間を構築しました。この空間では、ファンが日常的に店舗さんや商品についての感想やアイデアを共有し合えるだけでなく、参加者同士が共通の興味・関心のあることを通じて深い繋がりを育むことができます。
さらに、店舗さんから重大な発表があった際には、ファンそれぞれがコメントを投稿し互いに共感し合う活発なやり取りが行われます。このような双方向のコミュニケーションを通じて、ファンは単に「顧客」という枠を超え、店舗スタッフの一員であるかのような感覚を得ることができます。
まさに「ファンしかいない特別な空間」として、このコミュニティは店舗さんを中心に独自の空間を形成しており、店舗さんとの関係性を深める重要な役割を果たしています。
以上のことから、クローズドな空間での情報発信は、店舗さんと顧客だけでなく顧客同士の繋がりを深め、さらには顧客に強い商品愛を持ってもらうきっかけになることがわかりました。
リアルイベントの開催がもたらす「体験」と「ファン化」
お皿を扱う店舗さんでは、Instagram上で顧客同士のコミュニティができていることを発見し、顧客同士が実際に交流できるリアルイベントを開催しました。
Instagram上での顧客同士のコミュニティは、主にお皿を使用した料理写真の投稿やその料理のレシピに賞賛のコメントをし合うといったものでした。投稿写真を見てコメントを交わす中でファン同士の繋がりが生まれ、商品を中心とした活発な交流が行われていたのです。そこで店舗さんは、店舗さんと顧客だけでなく顧客同士の交流の場をリアルで提供するイベントを開催することにしました。しかし、この交流はあくまでもInstagram上のものであるため、リアルイベントを開催する際に店舗さんは顧客が本当に求めている想いを汲み取り開催する必要がありました。
リアルイベントでは、SNSで見ていた料理を実際に食べたり、作り方を直接教えてもらったりすることができる場を提供しました。また、お皿の作家さんを招き、制作に込めた想いやこだわりについて直接話を聞く機会も設けました。このような体験は、単なる商品の購入を超え、顧客にとって特別な思い出を作る機会となりました。
結果として、イベント参加者の多くが商品を購入するきっかけとなり、その後もリピート購入だけでなく、顧客が発信するコンテンツの強化や口コミを通じて新しい顧客を呼び込む効果を得られました。
まとめ
今回の2つの事例から、店舗さんと顧客だけではなく顧客同士のコミュニケーションもファン化を促進する重要なポイントとなることがわかりました。これらのコミュニケーションが、顧客に特別感や満足感を与え、店舗さんや商品に対する深い愛着へと育てることができます。店舗さんと顧客のコミュニケーションが生む「信頼感」、顧客同士の交流が生む「共感」を体験させることでファン化が促進され、そこからさらに新しい顧客を呼び寄せることへも繋がります。
ECサイト運営において、初回購入者を2回目の購入に繋げることが大きな課題の1つとなっています。購入回数を増やしていくことで顧客のファン化に結び付けていく狙いがあることからも、どのようにして既存顧客を維持していくか、企画を練ったり施策を打ったりすることが重要です。
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