言葉選びを工夫してECでの接客をワンランクアップさせる方法
1. 接客をワンランクアップさせる言葉選びとは
ECサイトにおける接客では、対面でのコミュニケーションがないため、言葉選びが重要です。顧客と直接顔を合わせない分、文章やメッセージを通じて真心や誠意を伝えることが求められます。だからこそ、顧客に安心感を与え信頼関係を築くためには、適切な言葉を選ぶ必要があります。
たとえば、「〇〇はいたしかねます。」という表現は、一見丁寧に聞こえますが、お客様に対して会話を断つような一方的でマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。お店としては、顧客との良好な関係を築きリピーターを増やしていくためにこのようなネガティブな印象を与える言葉遣いを避けることが重要です。「〇〇はいたしかねます。」という表現の代わりに、「〇〇はご遠慮させていただきたくお願い申し上げます。」といった表現にするだけで印象が変わります。
特定のサービスを「する」か「しない」かは、各店舗の方針や状況によって変わりますが、「しない」と決めた場合でもその伝え方次第で顧客の感じ方が変わります。逆に、特定のサービスを「する」と決めた場合も、ただその旨を伝えるだけではなく、顧客に安心感や信頼を与えるような言葉を選ぶことが重要です。
今回は、特定のサービスを「する」と決めた場合に、どのような言葉遣いが効果的かについて詳しく見ていきます。言葉選びを工夫することで、オンライン接客でも対面接客と同様に、温かみや誠実さを伝えることができるのです。これによって、顧客の信頼を獲得し、店舗のファンを増やすことができます。言葉は単なるコミュニケーション手段ではなく、顧客との絆を深める重要なツールなのです。
2. 印象を変える言葉選びの具体例
1) 「返品不可」ではなく「交換可能」
「返品不可」という表現は、お客様にネガティブな印象を与えるためECサイトでは特にリスクがあります。商品を手に取って確認できないため、返品ができないことを伝えると顧客が購入をためらってしまう可能性があり、結果として販売機会を失うことにもつながります。
一方、「交換可能」という言葉には心理的効果があります。多くのお客様は返品や返金を直接求めることに抵抗を感じるため、交換を前提にした対応を提示することで、問い合わせのハードルを下げ、返品を避けて交換を選ぶケースが増えるのです。結果として、店舗側も不要な返品手続きや返金のリスクを軽減できます。
「交換可能」という表現は、お客様に安心感を与え、万が一問題があった場合でも対応策があることを示すことができるのです。
また、より効果的に顧客をファンへと育成するために購入後にサービス内容をアプローチする方法もあります。
商品交換するまでには至らず、満足感を持っている顧客に対しても、「このお店なら安心して商品を購入できる」というプラスな印象を与えることができます。
特にアパレル業界では、着用してみないとサイズ感が分からなかったり、現物を見ないとイメージがつかなかったりするケースがあるため、実際に商品が届いてから返品を希望する顧客も多いようです。
このように、「交換可能」というポジティブな表現を使うことで、ECサイトでの接客はが大きく改善されます。返品”できない”というプレッシャーが無くなり、交換”できる”という選択肢があることによって顧客に安心感を与え、店舗側も効率的かつ柔軟に対応できるため、双方にメリットがあります。最終的に、返品や返金を最小限に抑えつつ、スムーズな運営を実現し、顧客満足度を高めることが可能になります。
2) 「先行販売」ではなく「裏の勝手口」
新着商品のお知らせやセールなどのイベントでも、言葉選びは重要です。同じ内容のキャンペーンでも、使う表現次第でお客様に与える印象が大きく変わります。
実際、あるアパレル店舗では人気商品の売上が上がり、多くの顧客から注目を集めるようになりました。しかし、人気が高まる一方で在庫が限られているため、昔から応援してくれているお得意様の手に商品が届かないという問題が発生しました。そこで、お店ではお得意様向けに先行販売を行うことにしましたが、ただ「先行販売」と告知するのではなく、特別感を演出するために「裏の勝手口よりお入りください」というユニークな表現を用いることにしました。
この表現を使うことで、先行販売という言葉以上の特別な体験をお得意様に感じてもらうことができました。「裏の勝手口」という「普通の顧客とお店の関係性では入れない空間」に案内されたような特別感が生まれ、顧客との信頼関係も一層強まりました。
この事例は、言葉選びの重要性と単純な言葉遣いひとつでお客様に与える印象が大きく変わることを示しています。どのような表現を選ぶかによって、顧客に特別な体験を提供することができるのです。
3.まとめ
具体例から見て取れるように、言葉選びは顧客に安心感や特別感を与え、体験や価値を提供することで顧客と関係性を築くことができます。顧客はより購入に前向きになり、結果的にリピート率や顧客満足度の向上にもつながります。
このように、言葉は単なる情報の伝達手段ではなく、顧客との絆を深め、長期的な信頼関係を築くための大切なツールです。適切な言葉選びを通じて、顧客に寄り添った接客をすることで、店舗のイメージ向上やリピーターの増加が期待でき、ビジネスの成長にも大きく寄与することができます。
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株式会社Eストアー 牧野