3C分析によるアプローチでEC売上前年比150%を実現!
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最終更新日:2025.09.08

3C分析によるアプローチでEC売上前年比150%を実現!

自社の強みを活かしたファーストビューに変更したことで売上アップした事例

多くの情報やモノがあふれかえっている世の中。ユーザーが自ら情報を取りに行き、良いと思ったものを選択する時代になっているからこそ、企業側には、自社が選ばれるための工夫が求められています。
そこで今回は、自社商品・サービスの特徴や他社との違いを3C分析した結果から見えた、効果的なアプローチ方法と改善によって売り上げが向上した事例を紹介します。

3C分析とは

3C分析とは、Customer(顧客・市場)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの観点から分析をして、自社が市場で勝つための成功要因(Key Success Factor)を導き出すためのフレームワークです。
このフレームワークが優れているのは、ビジネスを構成する主要な要素である「外的要因(顧客・競合)」と「内的要因(自社)」を総合的に捉え、その相互作用から独自の強みや戦略を見つけ出せる点にあります。

3C分析の3つの観点

  • Customer(顧客・市場)
    顧客のニーズや消費・購買行動、市場規模、成長性、市場全体のニーズを分析。
    商品やサービスの改善、マーケティングの戦略立てに役立ちます。
  • Competitor(競合)
    競合他社の商品やサービス、市場シェア、戦略、強み・弱みなどを分析。
    競合の状況を理解することで、自社の立ち位置を把握し、競争力を高めるための戦略を構築できます。
  • Company(自社)
    自社商品やサービスの強み・弱み、事業目的などを分析。
    自社の特性を正しく理解することで、自社が成功するための要因を導き出します。

成功の要因は、この3つのCが交わる点に隠されています。
顧客が強く求めているニーズがあり、なおかつ競合がまだ満たせていないニーズを、自社が持つ独自の強みで満たすことができれば、それは間違いなく大きな武器になります。

3C分析のやり方

3C分析は、ただ単に3つの要素を調べるだけでは不十分です。
各観点を深く掘り下げ、得られた情報を有機的に結びつけることで、初めて意味のある洞察が生まれます。

Customer(顧客・市場)分析:市場の声を聴き、トレンドを読み解く

顧客・市場分析は、すべてのビジネス戦略の出発点です。
市場全体のマクロな動向から、個々の顧客の購買行動まで、多角的に分析します。

  • 市場環境の把握
    まずは、事業を取り巻く外部環境全体を俯瞰します。
    政治、経済、社会、技術といった要素を分析することで、自社がどのような市場で戦っているのか、将来的な成長機会やリスクはどこにあるのかを把握します。
  • 顧客ニーズと購買行動の分析
    最も重要なのが、顧客を深く理解することです。
    顧客を年齢、性別、居住地といった情報や、価値観、ライフスタイルでグループ分けし、最もアプローチすべきターゲットを特定します。

Competitor(競合)分析:ライバルを知り、自社の立ち位置を把握する

競合分析は、市場における自社の立ち位置を把握し、差別化のポイントを見つけるために不可欠です。

  • 競合の特定
    同じ製品・サービスを提供する直接的なライバルだけでなく、同じ顧客のニーズを満たす異なる製品・サービスも競合として考えます。
  • 競合の徹底分析
    特定した競合について、製品・サービス、価格帯、戦略、強み・弱みなどを徹底的に調査します。

Company(自社)分析:強みを再認識し、磨きをかける

最後に、自社の分析です。客観的な視点で自社の強みと弱みを深く理解します。

  • 自社の経営資源の棚卸し
    事業を支えるヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源を洗い出します。
  • 強みと弱みの特定
    洗い出した資源の中から、自社の強みと弱みを特定します。真の競争優位性となる「コア・コンピタンス」を見つけ出すには、VRIO分析も有効です。

3C分析がもたらした売上アップの実例

【医療用白衣の販売、刺繍プリント加工を行っているネットショップ】
店舗さんから売り上げが伸び悩んでいる相談を受け、ネットショップの状況について詳しくヒアリング・調査を行ったところ、以下が改善すべき課題として挙がりました。

売り上げが伸びない、費用対効果が感じられない....その要因

▼ 外的要因

  1. メーカーの製造遅延と欠品
  2. 競合他社の増加

▼ 内的要因

  1. スマートフォンでの表示スピードが遅い
  2. 商品ページに着用画像がないためイメージしづらい

3C分析で見えてくる自社の強みとアプローチ方法

内的要因はページの表示に関することだったため、店舗さんに対応してもらうことで改善が見込めるものでした。
外的要因としては、コロナによるコンテナの遅延によって欠品が発生してしまったこと、競合が増えたことで競争率が高くなっていることが考えられました。
そこでわたしたちは、競合他社の増加に着目し、差別化を図るために3C分析を行いました。
その結果、以下の4点が競合他社にはない、自社ならではの「強み」であることが明らかになりました。

  1. 刺繍デザインの型代(データ作成費)が無料 ⇔ 競合は有料
  2. 団体の依頼でも刺繍の色を個人単位で選択可能 ⇔ 競合は対応不可
  3. 団体の依頼でも白衣の種類を個人単位で選択可能 ⇔ 競合は対応不可
  4. ロゴ刺繍の見本(仕上がりイメージ)作成を無料で対応 ⇔ 競合は有料

これらの強みがサイトに反映されていない状態だったため、明記した内容でファーストビューを改修しました。

改修後の成果

改修の結果、翌月には以下の成果が得られました。

  • 転換率が2倍!
  • 客単価が2倍!
  • ロゴ刺繍サービスの売り上げも大きく伸び、この施策当初から1年の間で、売上は前年比150%を達成

まとめ

このように3C分析をすることで、自社ならではの適切なアプローチ方法が分かり、ユーザーに選ばれるネットショップを作り上げることが可能になります。

今回ご紹介した成功事例は数ある中の1つにすぎません。店舗さんのご状況や取り扱っている商品・サービス、市場によって施策の内容は大きく変わります。自社商品・サービスの強み、競合他社との比較、市場の動きはなんとなく理解しているけれど、どのようにアプローチすればいいのか分からない、そもそも自社サイトのどこに課題があるのか客観視できていない、という方もいらっしゃるかもしれません。

わたしたちEストアーショップサーブは、様々な業界の知識やノウハウをもった担当コンサルタントが、課題の抽出から施策の提案、具体的な進め方と実行、効果検証、運用までを並走します。ネットショップ制作における課題や人手不足によりサポートをしてほしいなど、EC事業に関わる様々なお悩みをお気軽にご相談ください。貴社のもうひとりのチームメンバーとして、売り上げアップを目指した支援をさせていただきます。

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