無料ツールを使ったネットショップ立ち上げは可能か、メリット・デメリットについて解説
「どうすればもっと商品が売れるだろう?」ECサイトを運営していると、そんな悩みに直面することがありますよね。実はそのヒントをお客様が教えてくれることがあります。
今回は、注文者アンケートによって明らかになった顧客属性とニーズに注目し、アンケート結果を活かした商品企画や販路拡大の方法をご紹介します。
ECサイトにおけるデータ収集の基本
ECサイト運営で大切なのは、売上やアクセス数といった「表面的な数値」だけではなく、「なぜ売れたのか?誰に売れたのか?」という背景となる情報を把握することです。
集めるべきデータ5種類
まずは「集めるべきデータの種類」を大きく分けて理解しましょう。
分類 | 代表的な項目 | 主な用途 |
---|---|---|
アクセスデータ | PV数、流入元、離脱ページなど | サイト全体の傾向把握、導線改善 |
購買データ | 購入商品、金額、購入回数、リピート有無 | 売れ筋分析、キャンペーン効果測定 |
顧客データ | 年齢、性別、地域、購入目的 | ターゲット分析、商品改善 |
行動データ | 商品ページの閲覧履歴、カート放棄など | 購買心理の理解、ステップメール施策などに活用 |
アンケート/レビュー | 感想、用途、満足度、不満点 | 顧客の声から改善点やニーズを発見 |
アンケートは顧客の本音に最も近い情報源
ECサイトでは、特に「注文者アンケート」が、質の高いデータ収集手段になります
▼アクセス解析や売上データではわからない情報
・どうしてこの商品を選んだのか(動機)
・どんなシーンで使う予定なのか(用途)
・自分用か、プレゼント用か(目的)
・価格やデザインへの印象(評価)
こうした情報から数字だけでは分からないお客様の思考を読み取ることができ、
商品改善、販促企画、ページ構成などに役立ちます。
アンケートデータの集め方とコツ
方法① 注文完了後にアンケートを表示
・購入直後の熱が冷めないうちに聞く
方法② メールやLINEでフォローアンケートを送る
・商品到着後の使用感や感想を聞く
方法③ サイト内ポップアップやバナーで誘導
・購入前の検討段階の声も集められる
収集データの活用法
データは、集めただけでは意味がありません。きちんと活用することでデータ自体の価値が生まれます。
<活用例>
・商品改善:「見た目よりサイズが小さかった」という声 → 商品ページにサイズ比較画像を追加
・販促企画:「母の日用に買いました」という声 → 母の日キャンペーンを実施
・カテゴリ構成:「ギフト用に探しづらい」という声 →「ギフト専用カテゴリ」を設置
このように、ユーザーの声がサイト全体の魅力や使いやすさを底上げするヒントになります。
顧客属性とニーズが見えた注文者アンケート事例
今回、ショップサーブご利用のアパレル商材を取り扱っているECサイトで注文者アンケートを実施しました。
質問は以下の3つです。
それぞれ、ラジオボタン形式で選択項目をクリックして回答できるような仕様にしました。
質問① 注文完了後にアンケートを表示
今回のご注文は自分用ですか?プレゼント用ですか?
質問② 注文完了後にアンケートを表示
年齢を教えてください。
質問③ 注文完了後にアンケートを表示
あったら嬉しいアイテムは何ですか?

アンケート実施期間:6か月
集計顧客数:3421人(会員:1501人、非会員:1920人)
以下がアンケートの集計結果をまとめたものです。
すべての質問に回答してくださる割合としては会員の方が高かったことから、回答率を上げる方法として、会員限定且つすべての質問への回答を必須に設定するのが効果的であると考えます。
各質問の回答率
項目 | 回答率 | 会員回答率 | 非会員回答率 |
---|---|---|---|
質問① | 73.5% | 67.5% | 78.1% |
質問② | 66.3% | 61.8% | 69.7% |
質問③ | 41.0% | 42.2% | 40.0% |
①~③すべて | 40.1% | 41.5% | 39.0% |
用途の割合

用途を集計したところ、1割ほどのギフト需要があることが分かりました。
プレゼントとして打ち出している商品はなかったため、新たにプレゼント用の商品をつくり、販路拡大に繋げることができました。
ギフト需要に応える商品企画・販売戦略
ここからは、ECサイトにおけるギフト向け商品やサービスを充実させるための具体的な施策をご紹介します。
・ギフト包装(ラッピング)サービスの導入
→購入時に選択できる仕組みにすることで利便性UP
・メッセージカードの無料同封
→「気持ちを伝えたい」というプレゼントの本質に寄り添う
・ギフト特集ページの作成
→「誕生日におすすめ」「予算別」「シーン別」など、選びやすく整理
・セット商品や価格帯別ギフト
→ 選ぶ手間を減らし、迷わず買える導線を設計
まとめ
ECサイト運営において、ユーザーの声は貴重なヒントになります。中でもアンケートは、「買った理由」や「用途」といった、数字だけでは分からないニーズを可視化してくれます。
今回のように、新たな需要が明らかになった際は、それに応じた商品やサービスを見直すことで、顧客満足度も上がり、結果的に売上アップにも繋がります。
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