顧客との絆を深めるステップメール活用術
  • EC基礎知識

最終更新日:2025.06.10

公開日:2025.05.14

顧客との絆を深めるステップメール活用術

価格競争からの脱却やリピーター増加を見込めるステップメールについて

「ステップメール」という言葉を耳にしたことはありますか?
ステップメールとは特定の行動を起こしたユーザーに対して、あらかじめ設定したシナリオ(流れ)に沿って、段階的に複数回配信するメールのことです。
カートリマインダー機能や購入後のフォローアップメールは特定の行動や限定的な目的を達成するためのメール施策であるのに対し、ステップメールは顧客のファン化、信頼関係構築、長期的な購買促進など、幅広い目的で利用できるメール施策です。

ステップメールは効果的なマーケティング手法ですが、シナリオ設計の複雑さ、配信後の効果測定と改善が不可欠であること、効果がターゲットとする顧客層の精度に大きく左右されることなど、難しい点も多くあります。
今回は、ステップメールを用いたメール配信と効果測定を行った事例をご紹介します。

商品の品質やブランドの価値を評価してくれる顧客を増やす

ご紹介する店舗さんの商材は嗜好品です。
顧客層は83%がリピート層であり、既に行われていたメルマガ経由の売上は全体平均の20%程と、そこまで低くはない数値です。
しかし、商品がどんなに優れていて、一定のファンがついていても、それは永久ではないため、他社がより低価格な商品を投入してきた場合、顧客が離れてしまう可能性があります。そこで、会員メリットと店舗の強みをより深く理解してもらい、顧客との絆を強めることで、低価格を売りにする他店舗への顧客流出を防げると考え、ステップメールを実施することにしました。

ステップメール3つのポイント

ステップメールは下記の3つが重要です。

1. 顧客理解に基づいたシナリオ設計

・誰に、何を、いつ、どのように届けるかを明確にする。
・顧客の行動、属性、興味関心に基づいて、最適な情報を提供する。
・顧客のステージに合わせて、段階的に関係性を深めるストーリーを描く。

2. 顧客に響く魅力的なコンテンツ

・顧客にとって有益で、興味を引く内容を提供する。
・一方的な情報発信ではなく、顧客との対話を意識した内容にする。
・顧客の感情に訴えかけるストーリーや、共感を呼ぶ体験を提供する。

3. 効果測定と改善を繰り返すPDCAサイクル

・開封率、クリック率、コンバージョン率などのデータを分析し、効果を測定する。
・顧客の反応を常にモニタリングし、シナリオやコンテンツを改善する。
・顧客のニーズの変化に合わせて、柔軟に内容を調整する。

これらの要素を組み合わせることで、顧客とのエンゲージメントを高め、長期的な関係構築に繋がる効果的なステップメールを実現できます。
ステップメールのポイントを踏まえた上で、新規会員登録、かつメルマガ受信許可の方へ5つのステップメールを配信しました。

目的は「顧客との絆を強めること」、そのために営業のような文章ではなく、顧客接点を作ることを重視した内容で配信を行いました。

Eストアーショップサーブの機能で出来ること

ステップメールを送ることを考えた際、シナリオ設計やコンテンツ内容も必需ですが、店舗さん側で気になるのは施策費用や配信の手間ではないでしょうか。
複雑なシナリオや高度な自動化、大規模なメール配信を行いたい場合は外部ツールを使用する必要があり、ツールによっては費用がかかります。
この店舗さんの場合はシンプルなシナリオであったため、顧客台帳から「会員登録者」と「メルマガ受信許可」の方をcsvデータ出力し、完全手動配信でEストアーショップサーブ内で完結することができました。そのため施策費用はかかっておりません。
また各メルマガには開封率計測タグの他に、メルマガ内の商品へのリンクに流入元パラメータを設置することで効果計測を行いました。

ステップメールによるF2転換率の改善

1ヶ月の施策を実施したところ、下記の結果となりました。

初回購入から7日間が、F2転換率(初回購入顧客が2回目の購入に至る割合)が高い傾向にあることがわかりました。
これにより今後は該当期間にメール配信するという方向性が定められ、PDCAサイクルをまわすことができます。

新しい施策や、今まで行ったことのない施策を実施する際、「初期費用がかかるのでは」とためらってしまう方もいらっしゃるかと思います。
ステップメールはシナリオ設計や顧客理解が必須ではありますが、外部ツールや初期費用をかけずとも手動で行うことは可能です。
また手作業で配信を行い成果が見えてきてから、より複雑なタイミングで配信するために外部ツールを使用する流れも可能です。

効果測定もGoogleアナリティクス(GA)を活用することで、クリック率・開封率・コンバージョン率などの指標を確認できます。また、配信タイミングもF2経過日数を調べて調整することも可能です。
新規顧客開拓もECサイト売上向上のためには必須ではありますが、既存顧客との関係を見直したり強固にすることで売上を安定させることができます。

メルマガ配信を上手く活用できず悩んでいる方や、そもそも何から始めたらいいのか分からず手を付けられていない方など、EC事業に関するお困りごとがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。

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