LP(ランディングページ)の目的、作り方、改善法など成果に繋がるポイントを解説
ネットショップを始めたばかりの方であれば、「LPってよく聞くけれど、何のために必要なの?」「商品ページとどう違うの?」と疑問に感じることがあるのではないでしょうか。 LP(ランディングページ)は、ネットショップの売上向上に非常に効果的な手法の1つです。特に新商品のPRやキャンペーン告知、ブランドの魅力を伝えるシーンで活用できます。
LP(ランディングページ)とは
LP(ランディングページ)とは、ユーザーが広告や検索結果などから最初に訪れることを想定してつくられたページで、特定の目的(購入、資料請求、問い合わせなど)に誘導することに特化したページを指します。
LPの最大の特徴は、ユーザーがページ上を迷わないよう、情報を1つのページにまとめ、「読み進める→納得する→行動する」という流れを自然につくる点です。 そのため、リンクを多く設置したり、別ページへ分岐させたりはせず、必要な情報を縦長の構成で1ページに集約するのが一般的です。

■LPが重視するポイント
- 伝えたい情報を順序立てたストーリー設計
- 「何をすれば良いか」が明確(購入/申込み/お問い合わせ)
- 説得力(レビュー、根拠、写真、実績、比較情報など)
商品ページとの違い
ネットショップにおける通常の商品ページは、商品情報を整理して掲載することが目的です。ユーザーが他の商品やカテゴリに移動しながら比較・検討できるように設定されています。一方で、LPは比較させない設計です。
LPでは、
- 誰にとってメリットがあるのか
- なぜその商品が選ばれているのか
- 購入することでどんなメリット・ベネフィットがあるのか
など、感情に訴えかけつつ納得しながら購入へ導くことを目的としています。
「情報を見せる」商品ページに対し、LPは「気持ちを動かすページ」と言えます。
| 項目 | LP(ランディングページ) | 通常の商品ページ |
|---|---|---|
| 目的 | 購入・資料請求・申込みなど、特定の行動に誘導 | 商品情報を提示し、比較・検討できる状態をつくる |
| 情報量 | 必要な情報を全て1ページに集約(縦長構成) | 情報は整理され、他ページへ遷移できる(回遊型) |
| 導線 | 基本的にシンプルで行動ボタンに集中させる設計 | 関連商品・カテゴリ・レビューなど回遊前提 |
| 訴求内容 | ベネフィット(良くなる未来)+根拠をストーリーで伝える | 商品のスペック、素材、価格などを事実ベースで提示 |
| 相性が良い導線 | SNS広告・検索広告・メルマガ・LP誘導型キャンペーン | 自然検索・カテゴリ回遊・比較検討フェーズ |
ネットショップでLPが使われる主な目的
ネットショップにおいてLPが活用される最大の理由は、「特定の商品や企画の魅力がしっかり伝わる形で訴求できる」という点にあります。
ここからは食品ECを例に紹介していきます。
①新商品・キャンペーン商品の訴求(新商品LP)
新しい商品を発売する際や期間限定キャンペーンを行う場合、LPは非常に相性が良い手法です。
商品の背景、こだわり、利用シーン、レビューなどをストーリーとして伝えられるため、通常の商品ページだけでは伝わりにくい魅力を補完できます。
②定期購入やサブスク型商品の紹介(定期購入LP)
食品・健康食品・美容系ECでは特に活用されるLPです。
「なぜ定期購入がメリットなのか」や「どのくらい継続すると効果を実感できるか」など、ユーザーが抱きやすい不安や疑問を丁寧に解消しながら継続利用の価値を伝えます。
③ブランドストーリーを伝える(ブランドLP)
食品ECは、「味」「品質」「素材の良さ」だけでなく、生産者の想い・背景・文化的価値など、共感が購買の鍵になるケースが多いです。
ブランドLPでは、そうした背景を丁寧に伝えることで、単なる購入ではなくファン化・リピート購入に繋げることができます。
④問い合わせ/資料請求などのリード獲得用(リード獲得LP)
食品ECを運営する事業者の中には、卸販売・法人向け提案・OEM相談などBtoBの商談を得たい場合もあります。
その際に活用するのが、問い合わせや資料請求に誘導するLPです。
商品説明だけでなく、実績・パッケージ対応・製造体制などを明確にすると効果的です。
効果が出るLPの構成要素
LPは単に情報を並べればよいわけではありません。
ユーザーが読み進めるうちに自然と納得し、最後には行動したくなるように、伝える順番と内容の組み立てが非常に重要です。
特に食品ECでは、「美味しさ」や「安心感」は目で見てすぐに伝わるものではないため、言葉と構成で補う必要があります。ここでは、多くの売れているLPに共通して見られる要素と、効果を高めるポイントを整理します。
①キャッチコピー(悩みに寄り添う一言)
LPの冒頭で、ユーザーに「自分に関係がある」と思ってもらうことが大切です。
商品をいきなり紹介するのではなく、ユーザーの悩みや理想に寄り添うメッセージから始めると、ページを読み進めてもらいやすくなります。
例
- 「忙しい毎日に、ちゃんとした食事を。」
- 「子どもに安心して食べさせられるスープ、あります。」
②ベネフィット(商品を使うことで得られる良い未来)
商品そのものの説明よりも、その商品を使うことでどんな良いことがあるのかを先に伝えます。食品の場合は、「時短」「健康」「安心」「家族との時間」など生活価値に結びつけることが効果的です。
例
- 「帰宅後10分で、体にやさしい食卓が整う。」
- 「コンビニ食に頼らない日が増える。」
③根拠(品質・おいしさ・生産背景の証拠)
ベネフィットを伝えたら、次に「なぜそれが可能なのか」の説明が必要です。
感情的な訴求だけでは信頼に繋がらないため、数字・制度・製造工程・生産者のこだわりなど、具体的な情報で裏付けます。
例
- 「管理栄養士監修レシピ」
- 「地元契約農家の野菜を使用」
- 「ISO認証工場で一貫製造」
④商品内容・セット内容(具体的にイメージさせる)
食品は、「中身が見えること」が安心に直結します。
商品の写真・内容量・味の特徴など、買ったときの食卓がイメージできるように丁寧に見せます。
例
- 商品が届く状態と調理後の状態が分かる写真
- 調理方法や味の濃さを具体的に説明
⑤お客様の声・レビュー(第三者の証明)
食品では「味の想像」が購入ハードルになります。だからこそ、実際に食べた人の声がとても有効です。
例
- 「子どもに安心して食べさせられる無添加商品を探していました。こちらのスープは素材の味がしっかりしていて、忙しい朝にとても助かっています。」
(30代・女性・小学生の母) - 「冷凍とは思えないなめらかさで驚きました。来客時に出しても喜ばれます。リピート確定です!」
(40代・男性・会社員)
⑥価格・初回特典(迷わせず明確に)
価格は、「わかりやすく・比較しやすく・迷わせない」ことが大切です。また、初回特典やまとめ買い割引などのメリットを明確に出すことで、購入を後押しできます。
例
- 初回限定価格案内
通常価格:3,200円 → 初回限定 2,400円(25%OFF)
※はじめてご購入の方に限ります
※いつでも解約可能 - まとめ買い特典案内
3個セットで送料無料+5%OFF ストックしておきたい方へおすすめです。
⑦CTA(購入/申込みボタン)
LPでは、行動ボタンを分かりやすく、複数個所に設置します。 ユーザーが「買いたい」と思った瞬間に迷わず購入できるようにすることが重要です。
LPを作成する手順
LPで達成したい目的(例:初回購入、定期購入の訴求など)と、伝える相手(どんな悩みを持った人か)を明確にする。
1.目的・ターゲットを整理する
LPで達成したい目的(例:初回購入、定期購入の訴求など)と、伝える相手(どんな悩みを持った人か)を明確にする。
【ポイント】
- 「誰に買ってほしいか」を具体的に設定する
- 「その人が迷っていること・求めていること」を書き出す
- ページ全体のストーリーは、設定したターゲット像に基づいて構成する
2.訴求ポイント(ベネフィット)を決める
商品の特徴ではなく、その商品を使うことで得られる価値(ベネフィット)を整理する。
【ポイント】
- 「何がすごいか」ではなく、「使うとどう良いか」を優先して伝える
- 事実と感情をセットで示す
- 競合商品との違いを明確にする
3.ページ構成(ストーリー)を設計する
「悩み→共感→解決策→商品提案→証拠→購入」という流れで、読み手が自然と購入判断できる構成をつくる。
【ポイント】
- 情報は理解しやすい順番で並べる
- 1セクションにつき1テーマに絞る
- 説得の順序を変えるだけでも効果が変わるため、並べ方を意識する
4.原稿・画像・レビューなど素材を準備する
文章、商品写真、使用シーン写真、レビュー、データなど、LPに掲載する要素を揃える。
【ポイント】
- レビューは「誰に向いている商品か」が伝わる内容を優先する
- 商品写真は「手に取った時の質感」を伝えられるものを選ぶ
- 図解/ビジュアル/比較表など、理解を後押しする素材を用意する
5.デザイン・ページ制作を行う
整理した構成・素材をもとに、ユーザーが見やすく行動しやすいページに仕上げる。
【ポイント】
- 重要な要素はファーストビュー(※)に配置する
- CTA(購入ボタン)は文脈ごとに複数配置する
- スマホでの表示最適化を最優先で確認する
(※)ファーストビュー:Webサイトを開いたときに、ユーザーがスクロールせずに最初に目にする画面範囲のこと
6.公開後に数値を確認し、改善を行う
コンバージョン率、滞在時間、離脱ポイントなどをチェックし、必要な調整を行う。
【ポイント】
- 施策実施前に仮説を立てる
- 「何を変更し、なぜそうしたか」をレポーティングする
- 部分的な改修を行っていきながら効果が出た要素を1つひとつ分析する
LPの効果を測定するポイント
LPは公開して終わりではありません。
成果に繋げるためには、ユーザーがどこで迷い、どこで離脱しているのかを理解し、改善を繰り返すことが重要です。
ここでは、ネットショップでLPを運用するうえで押さえておきたい測定指標とそれぞれに対して取れる改善策の例を紹介します。
コンバージョン率(CVR)
LPを訪れたユーザーのうち、商品を購入した割合。
| 状況 | 考えられる課題 | 改善策の例 |
|---|---|---|
| CVRが低い | ・商品の魅力が十分に伝わっていない ・購入決断までの不安が残っている | ・ベネフィット(得られる価値)を冒頭に再配置 ・お客様の声や根拠を追加 ・「保証」「返品可」など不安を解消する文言を追記 |
【具体的な改善例】
Before:「無添加スープです」
After:「子どもに安心して食べさせられる、保存料・着色料不使用の無添加スープです」
→誰にとって・どんな良さがあるのかを明確にすることで納得感が増す。
ページ滞在時間/スクロール率
ユーザーがLPをどれくらい読み進めているかを示す指標。
| 状況 | 考えられる課題 | 改善施策の例 |
|---|---|---|
| 初めての方で離脱が多い | ・導入文で興味を引けていない | ・ユーザーの悩みを先に提示する構成に変える ・「こんな方におすすめ」箱を冒頭へ追加 |
| 中盤で離脱が多い | ・情報が多すぎて負担に感じる ・理解できていない | ・専門用語を平易な言葉に置き換える ・図解やビジュアルで説明する |
【具体的な改善例】
「商品のこだわり」説明を文章だけでなく、素材産地の写真+一言キャプションに置き換えることで離脱率が下がることが多いです。
CTA(ボタン)のクリック率
購入やカート投入に繋がるボタンがどれだけクリックされたか。
| 状況 | 考えられる課題 | 改善施策の例 |
|---|---|---|
| ボタンが見られていない | ・ボタンの位置が悪い ・スクロールしないと見えない | ・ボタンを文脈ごとに複数配置(冒頭・中盤・末尾) |
| ボタンの文言が弱い | ・行動メリットが伝わっていない | ・「購入する」→「初回25%OFFで試す」のようにメリットを含める |
【具体的な改善例】
Before:「カートに入れる」
After:「今すぐスープを試してみる(初回送料無料)」
→行動のハードルが下がり、クリック率向上が期待できます。
離脱ページ/直帰率
ユーザーがどの時点でページを離れたかを示す。
| 状況 | 考えられる課題 | 改善施策の例 |
|---|---|---|
| 特定のセクションで離脱が集中 | ・説明が難しい ・量が多い ・疑念が生まれている | ・そのセクションを削除/短縮する ・要点を3つに絞る ・FAQを近くに配置する |
【具体的な改善例】
疑問が多いと考えられそうな項目の後に、「よくある質問」→「お客様の声」の順で配置し直すことで、不安のまま離脱するユーザーを減らせる。
LPの改善のコツは、
- どこが問題かを指標で特定する
- なぜそうなるかを仮説で考える
- テキスト/画像/配置を部分的に変える
この3つを繰り返すことです。
まとめ
LP(ランディングページ)は、単に商品を紹介するためのページではなく、「購入に繋がるストーリーを届けるページ」です。
ネットショップにおいて、LPは商品ページよりもユーザーの不安を解消し、ブランドや商品の魅力を伝え、購入を後押しする役割を担います。
特に、
- 初回購入を増やしたい
- 競合と差別化したい
- 商品のこだわりをしっかり伝えたい
といった課題を感じているショップにとって、LPは非常に有効な手段です。
ただし、LPは作って終わりではありません。
ターゲットを明確にし、訴求ポイントを整理して構成を設計、改善を繰り返すことで、初めて成果に繋がります。
ネットショップ構築に必要なECカートシステムを提供しているEストアーショップサーブでは、LP制作や運用に関するサポートも行っています。
- 自社商品に適したLP構成を相談したい
- 売れるための見せ方を一緒に考えてほしい
- どこから改善すべきかアドバイスが欲しい
- LP運用をきっかけに新規顧客を増やしたい
そんな事業者の方は、ぜひ一度ご相談ください。