チェックリストや実例で、ネットショップの名付けをサポートします
ネットショップを始めるとき、最初に悩むのが「ショップ名」です。名前はネット上での“顔”であり、第一印象を決める重要な要素です。
覚えやすい名前は検索や口コミで広がりやすく、名前で探されて購入にもつながります。反対に、難しくて読みにくい名前や、ありふれた名前をつけてしまうと、お客様に覚えてもらえず集客機会を逃す原因になります。
実際によくあるケースは、扱う商品に限定しすぎた名前をつけることです。たとえば「〇〇マスク店」のように名付けると、将来ほかの商品を扱い始めたときにブランドイメージとずれてしまう可能性があります。
ただし、もしひとつの商材だけに特化し、その分野で専門性を追求するのであれば「専門店」として強みを発揮できます。重要なのは、長期的にどういうショップに育てたいかを見据えて選ぶことです。
このように、ショップ名は短期的な印象だけでなく、長期的な運営やブランド展開も見据えて決める必要があります。では、実際にどのような点を押さえればよいのでしょうか。
名前を考えるための基本ポイント
ショップ名を考える際は、「おしゃれさ」や「インパクト」だけで決めてしまうのは危険です。長く使えるか、覚えてもらいやすいか、そして運営方針に合っているかを確認する必要があります。ここでは初心者の方にも取り入れやすい6つの基本ポイントを紹介します。
1. わかりやすさ重視
短く、読みやすい名前はお客様に覚えられやすく、口コミでも広がりやすい特徴があります。
たとえば、「ひなた屋」や「トモノモール」のようにシンプルで発音しやすい名前は、日常会話でも伝えやすく、人に紹介してもらいやすくなります。
逆に、難しい漢字や特殊記号を多用すると、検索で見つけづらく、紹介もしにくくなってしまいます。
2. ショップの「中身」が伝わる名称
お客様は、名前からどんな商品を扱っているかを想像するものです。名前に少しでも「ジャンル」や「雰囲気」が含まれていると、初めての人にも親切です。
たとえば、「木の実のお菓子舎」や「ハナトキ服飾店」といった名前は、取り扱う商品やお店の世界観を自然に想像させます。こうした工夫は、ブランドイメージを伝えるうえで効果的です。
3. オリジナリティと差別化
競合と似たような名前では、覚えてもらいにくく埋もれてしまいます。造語や語尾のアレンジを活用して、自分らしい名前を作りましょう。
たとえば、「アソラナ」や「クルミート」などの造語は、響きに独自性があり、他と被りにくい特徴があります。お客様の記憶にも残りやすく、差別化に直結します。
4. 実用面の確認
良い名前が思いついても、実際に使えるかどうかは別問題です。商標登録や既存の同名ショップの有無を確認しないと、後からトラブルにつながることもあります。
また、ドメインやSNSアカウントが取得可能かどうかは必ず確認しましょう。たとえば「ソライロ雑貨店」という名前を決めても、同じ名前のアカウントがすでに使われていれば、集客に不利になる可能性があります。
5. 将来を見据えた選定
今はひとつの商品に特化していても、将来的に品揃えを広げる可能性があります。そのときに名前が足かせになることもあります。
たとえば「まんまるマグカップ店」として始めても、のちに皿やカトラリーを扱うようになったら、店名とのズレが出てしまいます。一方で「まんまる食卓館」としておけば、商品展開の幅を広げやすくなります。
6. ハッシュタグや略称の展開も考慮
SNSでの拡散を考えると、略しやすく入力しやすい名前が有利です。お客様が自然にハッシュタグに使いたくなるかどうかも重要です。
たとえば「ひよりのお菓子工房」は「#ひより菓子」など、短縮しやすい形で広がりやすくなります。略称やハッシュタグまで視野に入れておくと、SNS経由の集客にもつながります。
自己診断用チェックシート
ここまでで「良い名前の条件」と「実際に確認する方法」を学びました。次のステップは、候補にした名前を自分で簡単に振り返ることです。そこで活用できるのが、YES/NOで答えられる自己診断用のチェックシートです。ひとつひとつ確認することで、候補名の強みと弱みが整理できます。
- ・短くて覚えやすいですか?
- ・読みやすく、発音しやすいですか?
- ・ジャンルやショップの雰囲気が伝わりますか?
- ・オリジナル性があり、他と被っていませんか?
- ・商標登録・ドメイン・SNSアカウントは取得可能ですか?
- ・将来的に扱う商品が増えても違和感はありませんか?
- ・ハッシュタグや略称として展開しやすいですか?
参考紹介と解説
ここまで、良い名前を決めるためのポイントやチェック方法を紹介しました。次に、実際の候補例を挙げながら「なぜ良い名前なのか」を解説します。ここで紹介するのはすべて架空の名前ですが、考え方の参考にしてみてください。
- 【例1】「星砂アロマ工房」
- 覚えやすさ:2語の組み合わせで語感が軽く、ひらがな・カタカナの混在で読みやすい
- イメージ性:海や砂、光を連想させ、ボタニカルや癒しの世界観が伝わる
- 実用性:アロマを中心にしつつ、キャンドルやバスソルトなど関連ジャンルにも展開しやすい
- 【例2】「みずいろ文具店」
- 覚えやすさ:色名+カテゴリの組み合わせで印象に残りやすい
- イメージ性:清潔感や落ち着いた雰囲気を感じさせ、学びや日常に寄り添う印象
- 実用性:ノートやペンだけでなく、紙ものや学童向け文具まで幅広く扱える
- 【例3】「こもれび暮らし堂」
- 覚えやすさ:日本語のやわらかい響きで、誰にでも伝えやすい
- イメージ性:自然光や穏やかな生活シーンを想起させ、ライフスタイル雑貨との相性が良い
- 実用性:インテリア小物から食器、ファブリック雑貨など、生活全般に展開できる
これらの例はいずれも「覚えやすさ」「イメージ」「実用性」の3つの観点でチェックしています。すべての条件を満たす名前は少ないですが、自分のショップにとって何を重視するのかを考えることで、最適な名前が見えてきます。
最終確認から実践ステップまで
最後に必要なのは、実際に候補を絞り込み、最終的なショップ名を決めるステップです。準備を整えた上で順序立てて進めれば、後悔のない名前選びができます。
Step1:候補を5〜10個作る
いきなりひとつに絞らず、複数案を用意しましょう。語感や響きの違いを出すことで、比較しながら最適な名前を選べます。
Step2:検索・商標・ドメイン・SNSで重複チェック
候補ごとに、検索エンジン・商標データベース・ドメイン・SNSで重複がないかを確認します。ここで他店と被っている名前は避けるのが無難です。
Step3:ターゲットに意見を聞く
友人や知人、SNSのフォロワーに「読みやすい?」「どんな印象?」などを尋ね、客観的な反応を集めます。第三者の声は、意外な気づきを与えてくれます。
Step4:最終決定とブランディング設定
選んだ名前に、キャッチコピーやサブタイトルを添えると、検索やブランディングの効果が高まります。
例:「ひよりのお菓子工房|やさしい甘さの手づくり焼き菓子」
Step5:ロゴ・バナー・SNS開設に反映
決まった名前を実際のデザインに落とし込みましょう。ロゴやSNSのアイコンとして違和感がないかを確認し、正式に運用を始めます。
ここまでのステップを踏むことで、思いつきの名前が「実際に使えるショップ名」へと磨かれていきます。候補を複数出し、確認し、周囲の声を取り入れ、デザインに落とし込む。この流れを経て決めた名前は、単なる看板ではなく、ブランドの核として長く活かせるものになります。このように最終確認まで丁寧に進めることで、安心してショップ運営をスタートできる土台が整います。
ショップ名はブランドを築く第一歩
ネットショップの名前は、単なる呼び名ではありません。お客様の記憶に残り、口コミで広がり、検索でも見つけてもらえる──そのすべての起点となる重要な要素です。
この記事で紹介したように、わかりやすさ・伝わりやすさ・独自性・実用性・将来性・SNS展開といった観点をバランスよく押さえることで、失敗しない名前づくりが可能になります。そして、実際に候補を複数出し、チェックリストで確認し、最終ステップを踏んで決める流れを経ることで、安心して使えるショップ名にたどり着けます。
つまり、名前をしっかりと考えることは、ショップの第一印象を整えるだけでなく、長く続くブランドの土台を築く行為です。ここで時間をかけて取り組むことが、未来の売上や顧客との関係に大きく影響します。
最後に、せっかく決めた名前を最大限に活かすには、それを支える販売基盤も重要です。Eストアーショップサーブなら、初心者でも安心して使える機能とサポート体制で、あなたのブランドをしっかり育てることができます。ぜひお気軽にお問い合わせください。